市場のなりゆきには任せてはおけない
市場経済が自発的に持続可能社会に変わって行く事を待つ時間は奇跡の惑星地球には無い。政治のリーダーシップで始める事ができる道具が2つある。
1. 電気事業者がより多くのキロワット時を販売すると言う商行為に興味を持てなくする為に需要家本位に作られた電力料金体系。
2. 電気事業者が再生可能エネルギーを発電コストに十分見合う価格で長期間にわたり買い取る契約を結ぶFIT(Feed in Tariff)
1番目は、昨年の3/11以降、東京電力は需用者に対し電力需要予測を公開し、計画停電をスケジュール化して電力不足に依る突発的な停電を回避する事を行った事は、東電管内に住む人々には記憶に新しいが、この手法を料金体系に組み込む事で需要家が日常的に使用電力を減少して行くような方法である。
この制度は1970年代からカリフォルニア州に導入され成功しており、現在のカリフォルニア州の電力需要は全米平均の40%である。
2番目は太陽電池パネル発電、風力発電、マイクロ水力発電、バイオマス発電等再生可能エネルギーで発電した電力を決まった金額で電気事業者(東電等)が買い取る制度で、日本では本年7月からスタートする。この電力買い取り法案は、不思議にも3月11日、地震の当日閣議決定され、その後も原発推進議員からの反対運動が有ったが8月26日に成立したものである。
このような改革的変化を世界の経済市場に認めさせる為には、それぞれの経済状態に合った戦略的な制度の組み合わせを考えなければならない。エネルギーと資源の効率アップが経済にとって利益をもたらすものである事を認識してもらわなければ、これらの制度(ある意味で環境税である)の導入により電力と資源の価格が上がる事が認められないからである。
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