ダンテの森    
15 Oct 2014 10:23:30 pm
COP10名古屋議定書
COP10で決定された名古屋議定書を無視する日本政府
ブログ管理人

 生物多様性条約第10回国際締約国会議は2010年10月18日〜29日まで日本が議長国となり開催された。COP10に先立つ10月11日〜15日には,生物多様性条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書第5回締約国会議(COP-MOP5)も開催された。COP10には,179の生物多様性条約締約国や関連国際機関,NGO,先住民代表など1万3千人以上(スタッフ,プレス関係者を含む)が参加した。また,地方公共団体,NGO,民間企業などによる過去最大となる約350のサイドイベントが同時開催された他,隣接する会場では一般の人々が生物多様性の考え方に触れる機会として「生物多様性交流フェア」 も開催され,11万8千人を超える来場者でにぎわった。この詳しい様子は外務省のHP
に詳しい。(URL: http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol66/

 この中にEUの生物多様性保護NGO Ecoropaの代表として、約1か月前から来日し精力的に会議の準備や根回しを行っていたのが、クリスティーネ・フォン・ヴァイツゼッカー( Dr. Christine von Weizsacker )博士で、我々が翻訳した「ファクター5」の主著者のエルンスト・ウルリッヒ・フォン・ヴァイツゼッカー博士の奥様である。生物多様性の学者であるばかりか、環境運動家としても名高い。亡くなった、ノーベル平和賞受賞者であるケニアのワンガリ・マータイ博士とも交友が有り、ある時クリスティーネ博士がケニアの国賓として招かれた時の事であるが、ケニアの空港についてマータイ博士は監獄に入れられている事を知った彼女は、「今すぐマータイ博士を釈放しなさい。そうでなければ私はこのままドイツに帰る。」と入国を拒否したそうです。ケニア政府は国賓を返すわけには行かず、しぶしぶマータイ博士を釈放したと言う逸話があるほどパワーに満ち溢れた人である。

 私の知り合いの大学教授が、名古屋に滞在中のクリスティーネ博士のお世話をしていたのですが、それは良く働く人で一体いつ寝ているのかと思う程であったと言っていた。COP10の準備も煮詰まってきた頃、海外にいるご主人のエルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー博士から電話が有り、「クリスティーネは煮詰まってくると食事もしなくなる。何か部屋に食べ物を運んでやってほしい。」とのこと。知り合いの大学教授は、夜食を用意してクリスティーネ博士の部屋に運んだと語っていた。このように、関係者が寝食を忘れて苦労して作った名古屋議定書である。

 しかし、10月14日の各紙の報道によると、産業界の反対で議定書の締結は見送られる見通しであると言う。一体、この国はどうなってしまったのだろうか。京都議定書の第二約束期間からは脱退する。CO2の削減目標は2020年までに1990年を基準にして25%の削減と2009年に国連で鳩山首相が国際社会に対し約束し大喝采を受けたが、現在はこれも反故になっている。京都議定書も名古屋議定書も日本が議長国となり、取り決めたものである。それを平気で、産業界が反対すると言う理由で反故にすることができるこの国の政府は、国際的に見て普通の民主主義国の政府では無い。そのおかしな政府に対し、従順に従う国民の一人でいなければならない事が恥ずかしい。
カテゴリー : ブログ管理人 | Posted By : dantesforest |
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