グリーン機構基金に拠出を表明したオバマ大統領と安倍首相の共同記者発表を無視? ――主要メディア
ブログ管理人
環境問題関連の国際ニュースサービスENSは、11月17日ワシントン発として、オバマ大統領と安倍首相が11月16日にG20が開かれていたオーストラリアのブリスベーンで共同記者発表を行い、自然災害の早期警戒態勢や被災に強いインフラ整備への支援と、気候変動に抵抗力を持つ農作物の育成や温室効果ガス排出削減技術の導入などの促進を支援する基金、「グリーン気候基金(GCF)」に両国が他の国に先駆けて拠出をすると発表したことを報じている。
米国は30億ドル、日本は15億ドル(約1700億円)を拠出する。この拠出は11月20日にドイツの首都ベルリンに先進国が集まって開かれるグリーン機構基金会議で100億ドルを目標に拠出が募られる。ドイツとフランスはすでに各10億ドルの拠出を表明しており、米国と日本は欧州の国より多く拠出する事で、基金の主導権を取るのが狙いのようである。
大変に不思議なのは、日本の大手メディアのこのニュースの扱いである。読・朝・毎・日経などの大手メディアはこのニュースに全く触れていない。オーストラリア、ブリスベーンで開かれたG20関連のニュースで一番目についたのは、安倍首相、アベノミクスの成果強調、エボラ熱阻止声明、円安懸念話題にならず、プーチンが孤立などで、安倍首相がオバマ大統領と二人で「グリーン機構基金」への拠出を発表した事に触れた記事は無い。ただ、東京新聞は共同の記事として日本が15億ドルの拠出を表明することを11月14日に報じており、この記事は、かなりの地方紙でも取り上げられているが、中央紙には無いのが不思議なことである。次にその共同配信の記事を掲載する。
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日本、温暖化対策基金に拠出 G20で首相表明へ 2014/11/14 02:00 徳島新聞 (共同)
発展途上国の地球温暖化対策を支援するため設立された「グリーン気候基金8GCF)」に、日本政府が最大15億ドル(約1700億円)の拠出を検討していることが13日、分かった。オーストラリアのブリスベンで15・16日に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合で、安倍晋三首相が表明する見通しだ。
日本は10億〜15億ドルの拠出を検討。既に拠出を表明しているドイツやフランスの10億ドルを上回る額とし、経済規模に応じた貢献をすることで、温暖化対策の新たな国際枠組み交渉を加速させたい考えだ。
GCFは、豪雨や海面上昇など温暖化の悪影響を受けやすい途上国支援の基金。
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この報道では安倍首相が表明する予定とあるものが実際にはオバマ大統領との共同記者発表となったのに、それは取り上げられなかった。経済新興と環境対策は矛盾するものと、考えられている日本の風土に配慮しての報道姿勢ではなかろうかと思うのは、ブログ管理人の斜視の性だろうか。
オバマと安倍の共同記者発表を伝えるENSの記事のURL:
http://ens-newswire.com/2014/11/17/obama-pledges-us3-billion-to-new-green-climate-fund/ |