本当の省エネは望んでいない電力会社
マスコミが訴える省エネは、電力会社の省電力のお願いをそのまま写したもののようで、実に巧妙な罠が隠されている。まず、使っていない電気機器のコンセントを抜きましょう、冷蔵庫のドアの開閉はできるだけ短時間に、等と省エネは難行苦行ですよ、大変な労力と注意が必要ですよとの印象を植え付けている。そして、原発さえ動けばそんな苦労はいりませんよと、ささやいている。
それで達成できる省電力は数パーセントから10パーセント程度のものである。ぼくが、このブログで紹介している「ファクター5」に書かれている省エネは80%の省エネである。そして、最終ユーザーの我々には全くの「難行苦行」も「労力も注意」も必要無い。経済構造が変わるだけである。
電力会社は全ての原発を止め、さらに火力発電所の半数も必要無くなる。つまり、電力会社そのものが半分以下の規模で済む。
全エネルギーの40%は建築物が消費している。建築物とは、住宅、商用ビル、工場などである。これらをグリーンビル化する、(既設建築物に手を加える事で可能で新規建設に限らない)事で建築物が使うエネルギーを最低で50%カットが現存の技術で可能である。その方法は、断熱を良くし、水のリサイクルを行い、排熱を再利用し、照明を改善する、空調デザインを変えるなどを行うことで達成できる。つまり、この分野だけでも全エネルギーの20%が節約できる。この分野だけで原発はいらなくなる。
これは一例で、他に交通、農業、重工業と言うエネルギー大量消費分野をどうすれば80%の省エネが可能かが示されている。いずれもが現存する技術で可能で、すでに実証済みのものばかりである。
これを行うと一大産業構造の革命が起きる。電力会社は規模が半分となり、その他のエネルギー産業、石油元売り、ガス会社等も半分で良くなる。その代わりに省エネ技術を売り物にする企業が台頭してくる。グリーン経済への移行が始まる。新しい産業の波、第六のコンドラチエフの波(図)が始まる。当然、現在の電力会社をはじめとする既得権益を持つ産業界からは猛然と反対が予想される。
しかし、そんなものに構っている暇は地球には無い。
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