これ以上化石燃料を採掘させるな。
秋田県の鮎川油ガス田でシェールオイルの採掘がはじまると言う。マスコミ各社は国産エネルギーだと手放しの喜びようだ。
これ以上地下から炭素を掘り出して大気に放出する余裕は無いと言うのにかかわらず、である。シェールオイルは数千メートルの地底にあるシェール層からシェールを掘り出して大量の熱湯を使って脂分を分離して取り出す。シェール岩石1トンから150リットルのシェール油を取り出す事ができる。生産に多量のエネルギーを消費するので1バレルのシェールオイルを製造するのに60ドル近く掛る為に採算性が悪く、今までは見向きもされなかったが、原油価格が90ドルに近付いて高値安定傾向にあるところから俄かにエネルギー資本シェールオイル開発に向かっているが、化石燃料の中では最も低質のものである。カナダは、現在世界最大のシェールオイル産出国で生産の2/3はアメリカに輸出しており、資源大国の仲間入りができたと上機嫌で有る。アメリカもカナダ国境に近いノースダコダでシェールオイル採掘を始めている。
それに刺激されて、日本も秋田でシェールオイルを採掘することになったようだ。
アラビア原油の硫黄分は0.5%程度あるが、シェールオイルは9.5%である。過去にエストニアがシェールオイルで発電をしていた為に大量の硫黄酸化物を大気中に放出して国際問題となった事がある。
秋田のシェールオイルで日本の6%のエネルギーを賄えると言うが、新たな化石燃料を掘り出す事を考える前に、ファクター5で提唱する革命的な省エネで80%の省エネを達成するなら、原発はおろか大半の火力発電所も停止でき、国のエネルギー安全保障の面からも望ましい。経済発展とエネルギー消費量は比例しないのがグリーン経済である事を考えるべきだ。
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