伝統の継承と持続可能性を追求したコンセプト
飯野ビルが日本で初めてプラチナLEED認証を得た(2012/08/28参照)と知り、一度見学をさせて戴きたいと思っていたが、先日その飯野ビルを見学させて戴くことができた。
飯野ビルは1960年竣工の商業ビルでイイノホールが有る事で有名であった。2011年秋に建て替わった飯野ビルは地上27階、地下5階、延べ床面積104,000�屬両Χ肇咼襪任△襦�このビルは持続可能性を追求した日本では数少ないグリーンビルである。
まずダブルスキン構造を見せて戴いた。外側と内側のガラスの間は80�僂龍�間が有り、メンテナンス要員が入って作業ができるようになっている。この空間に可動式のルーバーが設置されており、太陽光が強すぎる場合には自動的に調整される。この空間で外気温を遮断するのと空気の循環通路になっており、温度調節に必要なエネルギーは相当少なくなっているはずだ。
照明はビル全体14,500の照明は全てLED照明である。ビル中央部のエレベータは低層用、中層用、高層用と3群あるが、低層、中層エレベータシャフトの上部空間は採光と換気用のエコボイドとして使われ、ビルの中央部にも自然光が採りいれられている。人感センサーと光センサーで無駄な照明は消灯される。
省エネの収支についてはまだ、満室になってまだ1年以上経過していないのでデータが揃っていないそうであるが、解析は施行者の竹中工務店と早稲田大学が行うとのことで、結果を聞くのが楽しみである。
欧米ではグリーンビルの効果として、病欠率の低下や離職率の低下が報告されているが、このあたりのデータも是非取って戴きたい。ビルの最終目的は、働く人に良い環境を提供することであるはずである。
旧イイノホールの巨大なレリーフや大理石を新ビルにも再利用し、伝統の継承と持続可能性を追求して「100年先にも愛される」をめざした日本の商業ビルの最先端を行くビルオーナーの気概を感じる事ができた。
最後に、今回の見学を実現させて戴いた、皆さんにお礼を申し上げます。
飯野ビルのホームページ：
http://www.iino.co.jp/iinobuilding/ |
グリーンビル見学
