日本は世界でも稀な水資源裕福国
昨日のニュースで、関東の水ガメである矢木沢ダムの貯水量が6%を割り、取水制限を検討しているとのことである。矢木沢ダムは関東が水源としている利根川水系にある8個のダムの中で最も大きい。8ダム合計で3億5千万トンの貯水容量があり、平年平均で2億5千万トンの貯水量があるが、9月3日現在1億3千万トンしかなく、今後の3ヶ月の長期降雨予報でも雨が期待できないために国交省は渇水対策本部を設置して、取水制限を検討することにした。
日本は、世界でも珍しく淡水資源に恵まれた国である。国土の90%が山岳地帯で有る為に森林が豊富で人が生活する平野部を流れる川にはほぼ1年を通じて水量が豊富である。河川の長さは大陸に較べると短く、上水道は各水系の川上に作られたダムで貯水した水を河川に放流して流域の都市はそれを取水して飲料水にしている。日本では水資源を使用する回数はほぼ1回で、リサイクルした水を上水道には使っていない。
欧州ではライン河やドナウ川のように、いくつもの国々を流れて途中の都市の水源となっている為に、河から取水した水は一度使われた後、処理されて河に戻され、下流の都市が取水して飲料水を作る。ライン河の水は10回リサイクルされている。つまり、ラインの水は10倍に使われている。その為欧州、例えばドイツの上水道の料金は日本の2.5倍、下水道は5倍する。
最近、東京都の区部で雨水を溜めて中水道としてトイレの水洗用の水や植物の灌水ように使ったりしているが、日本ではまだまだ水は豊富に有るので、贅沢に使われている。
世界的には、常に安全な飲料水の確保ができたり、汚水を安全に処理できる環境が無いところに居住している人が25億人いる。水資源問題は地球温暖化ガスの問題と並んで、大きな問題である。水の最大の消費者は農業であるが、現在の稲作は溢水灌漑を行っているが、水の使用量を最大95%節約できる点滴灌漑で水の使用を減らして、それを世界の渇水地域に指導して行くようにして行きたいものである。
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