資源を段階的に利用する事で、できるだけ長い時間使う方法を資源のカスケーディング利用と言う。
資源には、石油、石炭などの化石燃料、鉄、金、レアメタル、石材などの鉱物資源、木材、穀物などの生物資源がある。化石燃料や鉱物資源は数十億年の長い年月と高圧によって集積されてできたものである。木材は数十年から千年程度の時間を掛けて太陽光エネルギーを使って通常温度、通常圧力で作られたものである。穀物は1年程度の時間で太陽エネルギーによって作る事ができる。
木材に例えて言えば、まず家具を作り何十年かして不要になった家具を砕いてバイオマスにして燃料にしてしまえばそれで木材はCO2になり終わってしまうが、家具であった木材から、ハンガーや、文房具を作りさらに数年使う、その寿命が終わったら、繊維にして紙を作る、紙は本になってさらに十数年使われ、次に再生紙となり梱包材量となり、最後にバイオマスになって電気に変わる。と言う風に段階的に資源を使う事で少しでも資源を資源の元の形に近い状態で使おうとする使い方をカスケーディング利用と言う。しかし、実際にはそのようなシステムが確立されていない為に、殆ど家や、家具は破砕されて燃やされているのが現状である。
昔から使われている金、銀、銅、鉄、アルミなどはできるだけその純度を守りながらリサイクルする方法が確立されているが、資金問題視されているレアメタルにはその方法がまだ確立されておらず、一回限りの使用で最終焼却処分をされた後は埋め立て用の塵となっている。レアメタルと言われる割にはその寿命は短い。それは使用されている量が余りにも少ないために回収してコストに引き合う分量が無いからだ。レアメタルはそれらが回収されやすいカスケーディング設計を行って使用後は分離して集めて、リサイクルが引き合う分量が集まるシステムを作る必要がある。現在のレアメタルのリサイクル率は1%以下である。
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