食肉は環境負荷が高い食品である
食肉産業は飼料となる穀物や牧草の栽培から始まり、家畜の育成、牛舎、豚舎、鶏舎の清掃、畜産処理場、保管の為の冷蔵・冷凍庫、これら全てに関わる運送によるCO2の排出量に牛豚のゲップを加えると地球全体のCO2排出量の実に18%の責任が有るとFAO(国連食糧農業機関)は発表している。
また、FAOによると2050年には畜産の生産量は現在の倍となり4億7千万トンになる。牛乳の生産は8割アップにとどまり、10億トンになる。畜産による土壌の劣化について議論をする必要性が出て来たとしている。
畜産により発生するCO2の量はその状況に依り大きく異なる。モンゴル、オーストラリア、南北アメリカやアフリカの一部のように、広い牧草地で放牧している場合と、狭い牛舎、豚舎、鶏舎に詰め込まれた状態で飼育されるのでは、CO2の発生量が大きく異なる。放牧されている動物は運動量も足り、CO2をゲップやおならで排泄する量も少なく、排出されたCO2はかなりの量が周囲の植物の光合成で吸収される。
FAOの2006年の報告書には十分な広さを持った牧畜は環境負荷が少ないとしている。同報告書はこれ以上の森林伐採による畜産場の開発は避けるべきであるとしている。また、動物が本来必要としている面積に近い広さで畜産を行うように畜産の有り方を考え直す時が来ているとしている。同時に、配合飼料を改良してCO2の排出を少なくする研究も推進すべきとしている。
畜産を改良することは水資源の改善にも大きく貢献する。畜産は全淡水消費の8%を担っている。
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