増加の一途をたどるトラック輸送
ここ数十年の世界の物流の増加は年率3.6〜5.9%と、経済発展よりも成長率が高い。物流は増加する一方で、今後も年率4%程度の成長率で増加すると予測されている。
持続可能な開発の為の経済人会議(World Business Council for Sustainable Development, WBCSD)は2050年までの世界の物流の成長率を年率2.3%以下に抑制するべきであると提案している。
図は、世界の物流を、宅配、鉄道輸送、大型トラックに分けてその推移の予測をしたものである。この図のシミュレーションした基礎データは2004年のもので、2008年のリーマンショックが起きた時の物流量の大幅減少は考慮されていないが、2009年以降、中国、インド、ブラジル、ロシアの経済発展で、ほぼこの図の状態に戻っていると考えられる。
注目すべき点は、最も環境負荷の大きな大型トラック輸送が最も増え続けると予測されている事である。トラックによる物流を減らすか、トラックそのもののエネルギー効率を革命的に上げる対策が必要である。
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