日本の地形は沿岸海運に最適
今日のNHK BSの海外ニュースでFrance2を見ていたら、セーヌ川を輸送手段として見直すと言うトピックスがあった。パリはセーヌ河の交通の要所としてローマ時代にLutetiaと呼ばれた町を元にできている。パリの大手のスーパーマーケットはパリ郊外の物流拠点からセーヌ川を使ってコンテナを輸送し、パリ市内でコンテナを陸揚げしてトレーラでスーパーマーケットに運ぶと言う方法を始めたと言う。パリに向かう高速道路は万年渋滞であるが、セーヌには渋滞が無い。その上何と言っても船は一隻で26本もの40フィートコンテナ―を運べ、燃料消費もトラック輸送とは比較にならない位少なく環境負荷が少ない輸送手段である。
欧州では長距離輸送には船が多用されている。ラインーマインードナウの3つの大河川が運河でつながっており、オランダのアムステルダムから欧州を縦断して黒海までの10数カ国をつないでいる。河岸の大都市にはコンテナーターミナルを備えた港湾施設や税関が完備され水運に活用されている。
日本は海に囲まれており、最も沿岸海運に適した地形をしているのに拘わらず国内海運は伸び悩んでいる。現在、国内輸送はトラック輸送55.8%、内航海運39.5%、鉄道4.5%、航空0.2%であるが、内航海運は1990年の2450億トンキロをピークに減少し続けており、2010年には1800億トンキロになった。
図は、1トンの貨物を1キロメートル輸送するのに必要なエネルギー量をジュールで表したもので、青字はその時に出るCO2の量である。日本は持続可能性社会に向かい輸送のモーダルシフトを真剣に考える時が来ている。
日本内航海運組合総連合会のホームページを紹介するURL:
http://www.naiko-kaiun.or.jp/index.html
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