農業分野の省エネにはまだまだ余地が有りそう
現代の農業の在り方は非常に資源浪費型であり、多くの省資源の可能性が有る分野である。
例えば、世界の水資源の70%は農業によって消費されているが、その数%しか農作物には届いていない。
特に酪農は水資源もエネルギーも大量に消費している。オーストラリア酪農公社によると、灌漑用水の25%と大半の地下水が酪農家により消費されている。
農場が直接消費するエネルギーとしては電力と車両や農機具の燃料であるが、間接的には肥料や農薬の製造に消費されるエネルギーが有る。窒素肥料の製造には大量のエネルギーが必要で、1トンの窒素肥料の製造には28〜35ギガジュールのエネルギーが使われるが、これは1トンの銑鉄やセメントを製造するよりも多い。
農場のエネルギー消費は過去20年間に、大規模化、自動化、24時間操業などにより増加の一途で、アメリカでの酪農での電力消費は乳牛1頭につき年間800〜1200kWhで、これはアメリカの平均的住宅1軒の1ヶ月分の電力消費に等しい。酪農における電力消費の最大のものはミルクの搾乳から貯蔵までにかかるもので50%を占める。続いて照明に20%、換気に20%が消費されている。
一般的に農家の省エネモラルは低く、こまめにスイッチの入り切りを心がけるだけで簡単に数10%の電力を節電できると言う調査結果が有る。当ブログの2012/5/5に詳しい。
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