日本ではまだ利用が少ないゴミ焼却熱による発電
ゴミ焼却場について調べて見た。日本全国にはなんと約1900ものゴミ焼却場が存在する。この数は他の国と較べて見ると異常に多い事に気が付いた。ドイツ(人口8200万人)で154基(154)、フランス(6300万人)134基(112)、英国(6200万人)55基(20)、イタリア(6000万人)50基(47)、韓国(4800万人)30基(30)なのだ。つまり日本のゴミ焼却場は規模が小さいのである。
その上もっと驚く事が分かった。それはゴミ焼却場の排熱で発電をしている数である。日本では215基で全体の11%しか発電をしていない。上に書いた欧州の代表的な国々のカッコ内の数字は発電をしている数で、お隣の韓国では100%ゴミ焼却場の排熱で発電をしているのに、日本では約1割程度しかしていない。それは、従来ゴミ焼却場で発電された電力が電力会社から「不安定である」を理由に5円〜10円と言う安い価格でしか買い取って貰えなかったので、ゴミ焼却場運営主体の自治体が興味を失っていたからであろう。発電をする事を前提にして居ないので、規模が小さくなっている理由でもある。
2012年7月から始まった電力固定買い取り制度(FIT)ではゴミからの電力は17.85円で20年間にわたって買い取ってもらえるので、これからゴミ焼却場をリニューワルや新設する自治体は導入する事が予想される。
日本のこれまでのゴミ焼却場での発電は総熱量の10%しか発電されていない大変効率の悪い設備である。年間3552万トンのゴミが焼却されており、その内2254万トンのゴミの焼却分で発電をしているが、これは6900GWH/年の発電量である。これを、最新の技術を使い一旦バイオガスに変えてからガスタービンで発電すると、効率が良くなるので、同じ量のゴミを焼却した熱で発電すると13,8000GWH/年の発電量となる。もし、全部のゴミを同じ効率で発電に使うと3552万トンのゴミから21,800GWH/年の発電ができ、これは原発3基分の発電量である。
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