シェールガス・オイルやメタンハイドレートは化石燃料だと言う事を忘れないでほしい。
昨日もTVでシェールガス、シェールオイルやメタンハイドレートを「エネルギー・ビッグバン」だ等と囃したてているのを見た。ファクターファイブの主張はもうこれ以上化石燃料を使うのは止めようと言っている。人類の英知を使えば無尽蔵に降り注いでいる太陽のエネルギーだけで豊かな生活ができるのだと提案している。
地球は46億年前に生まれ、40億年前には初めての生命体を宿している。しかし、その頃の地球は生命が進化するには厳しすぎる条件であった。27億年前に光合成生物が出現し少しずつ大気に酸素が増加してきた。この頃、地磁気が出現しその為に太陽風などの生命にとって有害な宇宙線を地磁気が避けてくれるようになった。光合成で増えて来た酸素はオゾン層を作り、地球に降り注いでいた紫外線も弱めた。10億年前には多細胞生物が出現した。7億年前に氷期が訪れ大量のCO2が氷に取り込まれて地底に沈んだ。四億八千年前に我々の祖先となる初めての脊椎動物、魚類が誕生した。その後、5回の生物の大絶滅期を経たが、その都度多くの動植物が地中深く埋もれ大量のCO2が地下に埋蔵された。それが、石炭、石油、天然ガス、シェールガス、シェールオイル、メタンハイドレートなどの炭素鉱物である。
そして、やっと700万年前に直立二本足歩行をする人類が誕生した。20万年前にはホモサピエンスと進化した。我々の存在は地球がCO2を地底に葬ってくれたからこそ有るのだと思う。その地下に葬ってあった炭素鉱物を燃料資源として人類は200年前から掘り始めたのだ。そして、大気中に過去数万年間変化の無かったCO2濃度を上げ始めた。これが地球温暖化のメカニズムなのだ。人類が歴史を記録しはじめて数万年の間、化石燃料に手を付ける事は無かった。それでも人類は、素晴らしい文化や芸術を創造し豊かな世界を作って来ていた。200年前の産業革命以来、人類は化石燃料と言う人力に変わるエネルギー源を使い始め、それが限り無い化石燃料の消費をする世界を作って来た。
人類の英知を結集すれば、現存の技術を使うだけで、今使っているエネルギーを5倍に活用する事ができる。そして必要な20%のエネルギーは再生可能年ルギ―で十分に補う事ができる。それが持続可能社会で、世界はそれを目指そうとしている。それなのに新たな化石燃料を希求する姿は、僕には奇異に見える。
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