GrennBiz.com 2012-11-1 Marc Guntherの記事より
自然界からのパールハーバーだと受け止めるニューヨーカー
アメリカは日本の真珠湾攻撃を受けて初めて第二次世界大戦に参戦を決意したように、アメリカ国民はサンディの攻撃で、真剣に地球温暖化と戦う決意が固まっただろうか?
これは、単なる例えでは無い。「環境パールハーバー」と言う言葉は2008年頃から使われ初めていた。地球温暖化の影響は大変に遅い速度でしか現れていなかった為に、これを政治課題の中心に据えることは政治家にとって困難であった。かつてゴア大統領候補は「不都合な真実」で環境に政治生命を賭けたが選挙には敗れた。国民は、死者や大量破壊のような悲惨でドラマティックな変化を鼻先に突きつけられない限り、面倒な事には無関心を装って本気にはならない。
近年、天候の激化は年々その激しさを増している。(ブログ2012/1/9,2012/7/21参照)2010年にはロシアの熱波で700人の命が奪われた。2011年にはオーストラリアの大洪水、その他パキスタン、マリなど記録的な被害の写真と見出しが新聞の一面を飾るが、それらは殆どのアメリカ人には直接関係の無い遠い、知らない国の出来事であった。
しかし、サンディは直径1600kmにもなり、ニューヨークを襲った。マンハッタンのゴールドマンサックスの本社の周りには土嚢が積まれ、地下鉄は水没した。ニューヨーク州知事のAndrew Cuomo、ニューヨーク市長のMichael Bloombergは口々に地球温暖化対策に本気に取り組むと発表している。ニュージャージーのChris Christie知事ですら地球温暖化対策が必要だと表明した。
ニューヨーカーは遠慮と言うものを知らない。このサンディの攻撃を環境からのメッセージと受けて、本気で地球環境保護にニューヨーカーが動き出せば、全米を動かし、さらに世界を動かす力となるかも知れない。
昨年の3.11で、日本がエネルギー政策を見直す方向に一次見えたが、今はしぼんでしまっているが、アメリカが本気になれば日本の政財界も本気で環境保護に取り組むかもしれないので、ニューヨーカーに頑張ってもらいたい。環境保護とエネルギー問題は全く同一の問題である。
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