これからがオバマ政権本当の仕事のはじまり
昨日は、はじめてアメリカ大統領選の開票をライブで見た。年金生活者の特権だ。民主党のうまい選挙戦術が効を為した形でオバマが再選された。
2008年のオバマブームのChange! Yes, We can Do!などのキャッチコピーは無いが、4年間の多数党である共和党との政権運営の難しさが身にしみている様子が良く分かる、協調と話し合いで一つのアメリカを作ると言う勝利宣言であった。
本年、2月にオバマ政権は2013年度予算案を出している。この予算は全体的に、従来のエネルギー依存型のアメリカの経済構造を変えて行き、海外からのエネルギー輸入に依存しない経済を構築しようとするものである。その中に「持続可能エネルギーと運輸」と言う、再生可能エネルギーへの投資と交通インフラの整備を行う事で運輸部門のエネルギー消費を下げる事を目標にしている部門がある。オバマ大統領はこの予算の実施で、新たな雇用の創出と、グリーン経済への移行を始めようとしている。
この予算の原資としているのは、年間40億ドル(3200億円)の化石燃料への補助金のカットと、イラクとアフガニスタンからの軍の撤退によって浮く軍事予算から充当しようとしている。ロムニーは選挙運動のなかで、自分が当選したなら一番に大統領令を出して予算実行を阻止するとするターゲットになっていた。
昨日の勝利宣言の中では、この予算については触れられる事は無かったが、オバマがこれから取り組む大きな仕事である。この予算の実行にあたっては、石油メジャーや産軍複合体のロビーや共和党の利益代表議員のあらゆる反対が予想されるので、共和党との協調なしには実行不可能と思われる。
母なる地球(環境)が選挙戦の最後に送ったハリケーン「サンディー」の応援で再選を果たしたオバマ大統領を祝福すると同時に、環境政策の実現と成功を期待する。
環境関連の予算がまとめられたpdf(英文)がダウンロードできる。
http://files.eesi.org/budget_factsheet_022912.pdf
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