一人が消費する持続可能な年間エネルギー消費量
2000ワット社会と言う言葉を知った。ドイツのエネルギー効率に関する研究の権威であるフラウンホーファー(Fraunhofer)研究所のエバハルト・ヨッヘム(Eberhart Jochem)教授達が提唱する構想であり、エネルギーの80%を輸入に頼るスイスでは、この2000ワット社会に向かって国を上げて取り組んでいる。
一人の成人が一年間の間にどれだけのエネルギーを消費しているかを調査した結果、アメリカ人は12,000ワット(W)、中国人は1500W、バングラデシュでは200W、日本人は5400Wである。
この年間消費エネルギーには全てが含まれている。スイス人の場合を例にとると、住居やオフィスで居住する為に冷暖房や換気、給湯、照明で30%、毎日使う食料品や消費材を作ったり運んだりするのに使うエネルギーが20%、公共のインフラが18%、電気としてTVを見たり、PCを使ったりするのに12%、自家用車に10%、飛行機に5%、鉄道・バスなどに3%のエネルギーが使われている。(図参照)
スイスのモ―リッツ・ロイエンベルガ―環境相は2000ワットで生活する為に必要な技術は既に存在していると、次のように述べている。「これらの基準を実施するにあたり問題なのは技術面ではありません。このビジョンを現実化するためには政治的意志が必要なのです。例えば、導入計画、エネルギー効率プログラム、ゼロエネルギー住宅、熱ポンプ、バイオガス、低エネルギー車、ハイブリッド車などのコンセプトの促進があげられます。この構想を実行するのは我々の政治的責任です」
今、アメリカや日本ではまるで宝物を見つけたように大騒ぎをしている、シェールガス・オイルやメタンハイドレート等の新たな化石燃料を掘り出すなどは、地球温暖化を全く無視した、とんでもない考え方である事を知るべきである。
この記事は国連大学のサイトにあるカレ・ヒューブナ―氏の記事を参考にしました。URLは次のとおりです。
http://ourworld.unu.edu/jp/2000-watt-society/
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