世界の温室効果ガスの濃度、2011年も過去最高を記録
2012年 11月 21日 11:28 JST ロイター
[ジュネーブ 20日 ロイター] 世界気象機関(WMO)は20日、2011年の世界の温室効果ガスの濃度が、観測史上最高記録を更新したと発表した。「温室効果ガス年報」でWMOは、主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の昨年の世界平均濃度が390.9ppmとなり、過去10年と同等のぺースで上昇したと指摘。産業革命前に比べると1.4倍の水準だとしている。
1750年以降で大気中に放出されたCO2は約3750億トンで、その大半が化石燃料の燃焼によるものだという。
WMOのミッシェル・ジャロー事務局長は、数十億トンのCO2が向こう数世紀にわたって大気に残留し、気温のさらなる上昇をもたらすと指摘。「CO2が溶け込んで海洋の酸性化はすでに進んでおり、海中食物連鎖やサンゴ礁にも影響する可能性がある」と述べた。
もう1つの温室効果ガスであるメタンの濃度は、約7年にわたって安定推移した後、過去3年は右肩上がりで上昇しているという。
以上がロイターの記事であるが、このところ、アメリカのシェールガス・オイルや日本近海のメタン・ハイドレートがエネルギー・ビッグバン等と脚光を浴びているが、これらの採掘が始まれば、更に新たな化石燃料が地底から掘り出され、燃やされてCO2となって大気中に放出される。新たな化石燃料を探すのではなく、エネルギーの消費を革命的に減らせばCO2は増えない。
その方法は、ドイツの環境学者エルンスト・フォン・ヴァイツゼッカー博士の著書「ファクター5」に、資源を5倍に使う経済への改革として、まとめられている。日本語版は明石書店から来年春に出版される。衆院選が始まるが、グリーン経済への移行を経済政策として取り上げている政党が無いのは誠に残念な事である。
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