UNFCCC(気候変動枠組条約)は、クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism, CDM)の利点について発表した。 2012年11月20日ドイツ、ボンUNFCCC発表
UNFCCCは京都議定書で合意されたCDMは数千億円の温暖化防止対策費を節約できることを発表した。
CDMは、先進国が、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出削減事業を、自国では無く発展途上国で実施すると、その削減分を自国分に参入できるという制度である。先進国では、すでに温暖化ガス対策が進んでいる為に、更なる排出量削減をを行う為には多大な費用が掛るが、開発途上国では安く大きな効果を上げる事ができるが、開発途上国にはその経済力も技術力も無いので、先進国が開発国に資金と技術を提供する代わりに削減された温暖化ガス排出量を自国の成績として算入すると言う仕組みである。
報告は、4000を上回るCDMプロジェクトを対象に、持続可能な開発の為の技術移転の状況と地域単位の温暖化ガス排出量を調査して、報告書では代表的なプロジェクトが写真入りで取り上げられている。この報告書は下のURLで詳しく閲覧(英文)する事ができる。
報告書の概要:
■2012年までに開発途上国に投資されたCDMプロジェクトの総額は2154億ドル(約17兆円)である。
■先進国は自国で行うより10〜20%費用を節約できた。215億ドル(1.7兆円)〜430億ドル(3.4兆円)
■京都議定書で定められた別表1の先進42ヶ国地域(これには中国、インド、ブラジルは含まれていない)は合計で36億ドル(2900億円)節約できた。
■技術移転のトップ5は、ドイツ、アメリカ、デンマーク、日本、中国。
■110ギガワットの再生可能エネルギーが作られた。
しかし、京都議定書第二約束期間(2013〜2017)に参加を拒否している日本等の13ヶ国には今後のCDMを使わせるなとの意見が多くだされており、26日からカタールで開かれるCOP18でも紛糾すると見られる。2009年には鳩山首相が2020年までに25%のCO2削減を約束しておきながら、2011年には参加拒否をするなど、国際的にも民主党政権が取った態度は理解されていない。
UNFCCC報告書URL:
http://cdm.unfccc.int/about/dev_ben/index.html
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