NASAの持続可能な建築物のモデル技術を詰め込んだ実験棟
カリフォルニア州モフェットフィールドにあるNASAの研究所に建設された持続可能基地(Sustainability Base)と呼ばれる建物は、建設費2500万ドル(20億円)のゼロ・エミッションを超えた電力を生み出すマイナス・エミッションビルである。この建設費は通常のビルに較べ6%高くなっているだけである。世界のCO2排出量の40%は建築物から出されているが、世界のビルがこの様になれば持続可能性社会が見えてくる。
このビルは2012年4月19日にLEEDプラチナ認定を受けたのは当然であると言えるが、これはNASAの地上ミッションの一つである。2階建て延べ床面積5万平方フィート(4600平米)のオフィス、研究棟である。
国際宇宙ステーションをイメージした2つの重なるアーク(弧)状のデザインをしているが、これは立地における太陽運行を計算に入れた形で、奥行きは16メートルと狭く作られ、年間40日は自然光のみで仕事ができるような採光設計になっている。広い窓面積は採光面だけでなく働くスタッフが周囲の環境とのコンタクトを感じられる作りとなっている。快適な居住空間の提供はグリーンビルの大きな目的の一つである。
外層は軽量断熱金属パネルで覆われ断熱効果を高めている。冷房は天井に冷水を流す輻射冷房方式を採用して、エアコンよりも少ないエネルギーで快適空間を提供している。暖房は窓側のパネルに温水を流す輻射暖房である。
NASAお得意の燃料電池、太陽電池パネル、小型の風力発電と99の地熱井からなる地熱発電で作ったエネルギーはビルが消費するエネルギーを上回り、電力収支はプラスとなっている。
水のリサイクルも国際宇宙ステーションの技術が使われ、90%がリサイクルされている。
次のURLで詳しくこのサステナビリティー・ベースが見れる(英文)。
http://www.nasa.gov/externalflash/sustainability-base/index.html
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