スイスで進められている中小企業の省エネ活動ネットワーク
昨日は、ドイツで高効率エネルギー社会(2000W Society)を提唱している高名なエネルギー学者であるエバーハルト・ヨッヘム教授(Prof. Eberhard Jochem)と話しをすることができた。ヴァイツゼッカー教授の紹介で、ヨッヘム教授とカールスルヘのフラウンホーファー・インスティテュートでお会いすることができた。
ヨッヘム教授は環境問題の解決にはエネルギーの高効率利用、つまり省エネが最も有効な手段で再生可能エネルギーは投資エネルギーが大きく、エネルギー収支が悪いので問題の解決策にはならないと主張されている。現在、スイスで行われている実証プロジェクトについて説明を受けた。
このプロジェクトは中小企業10〜15のネットワークと呼ばれるグループを作り、このグループ単位で省エネを進めてゆくと言うプロジェクトである。中小企業では専門の省エネ対策部門を設置することができない為に、省エネがなかなか進まないのが実情である。しかし、中小企業が占める割合は大企業より大きくエネルギー消費量の合計も大きい。
ネットワークには地域のどんな種類の会社も参加できる。現在、スイスの環境省と共同でフラウンホーファー・インスティテュートが推進役となって進めているプロジェクトである。このネットワークに加盟した企業は年に4回省エネ担当者のミーティングを地元で開催する。高効率ボイラーについてとか、高効率照明についてとか、毎回ひとつのテーマに限って開催され、そこに専門家が派遣される。そして、重要ななのは日常の省エネ活動を行う時に、お互いに顔を知っている地元の企業の省エネ担当者同士が経験を交換し、相談しながら省エネ活動を進めてゆく事が重要な点である。一つのネットワークの大きさを10〜15社に限定しているのは、このサイズが最も議論がし易く、一人ひとりの顔が見えて全員が知り合うことが可能な範囲であるからとの事であった。現在、スイスにはこのようなネットワークが約100有り、1500の企業が参加している。
この中小企業の省エネ運動とも言える活動を、ドイツでも始めると言う。ドイツには1万社が加盟するポテンシャルがあると言う。近いうちに日本にも紹介することで日本の省エネ団体(団体名は後で教えてもらうことになっている)と経産省がパートナーであるとのことであった。この活動については、また追ってブログ上で報告する。
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