ルーブルと東芝が共同でLED照明器具とLED投光機を開発
地球温暖化ガス(GHG)の40%は建築物から出されており、これを削減すれば新たなシェールガスなどの新たな化石燃料は必要ない。
2012年12月24日の朝刊に東芝の2面分のカラ―見開き広告が出ていた。写真はルーブルの夜景で中央にピラミッドがひときわ明るく輝いている。欧州の人は照明に敏感である。ただただ明るい平面的な照明を嫌い、立体感と奥行きの有る照明を好む。また、照明器具や投光機の形にも周りとのバランスをこだわる。東芝は今回ルーブルと共同で照明のリニューワルプロジェクトを行った事で多くのノウハウを得た事だと思う。
従来の外装照明には4500台の照明器具、投光機が使われ392kWhの電力であったものを器具の数も3200台となり消費電力は105kWhと73%の電力削減となった。ファクター5まであと一歩である。年間平均で一日12時間外装照明を点灯させたとして、年間700トン以上のCO2削減になる。このリニューワルプロジェクトは2013年には内部照明へと移るので、更なる消費電力の削減が楽しみである。
ピラミッドでは、全反射型レンズを採用して光ビーム角度を制御することで従来11.6kWであったものがLED化で3.675kWと約70%の電力削減となった。
ピラミッドの横の小さなピラミッド、ピラミディオンではピラミッドの1/5の光束を出す器具により、従来の4.8kWを0.433kWと90%以上の省エネとなっている。ファクター10である。
ファサードは明―暗―明の照明設計で前のピラミッドを浮き上がらせる効果を演出した。ここで使われた投光機の合計電力は従来331.6kWであったものが、87.6kWと約74%の電力削減となっている。
ルーブルにある7つのパビリオンの屋根の照明は最も明るい3000K(ケルビン)を達成し消費電力は26.4kWから7.74kWと70%以上の省電力となった。
これらの照明器具は、防水構造(IP65)となっている。
これまで原発一辺倒であったフランスも国民世論の盛り上がりには勝てず減原発を始めた。その為のシンボリックなプロジェクトであるといえる。
東芝のホームページでルーブルプロジェクトを詳しく説明している。
http://www.toshiba.co.jp/lighting/jp/project/louvre.htm
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