ブログ管理者にとって大きな節目となった2012年を振り返る
2012年は後僅かの時間を残すだけである。冬至が過ぎて10日経つと日照時間が長くなっていくことが感じられる。今、丹沢山塊の向こうに沈む夕日が雲を茜色に染めて明日の元旦の晴天を告げているようである。一見何も大きな変化もないような冬の穏やかな空であるが、この大気に含まれるCO2は今この瞬間も増え続けている。地球の気温は上がり続け、海面の上昇と気象の狂暴化は来年も続く。残された時間は少ないと言うのに人々は経済最優先と、環境に心を馳せる余裕が無い。
今年はぼくにとっては大きな人生の節目となる年であった。65歳の年金生活者となり、社会と自分の関係が新たなものになったのであるが、3ヶ月の初心者のせいかその実感はまだない。
ぼくにとって今年の最も大きなできごとは、ヴァイツゼッカー教授から「ファクター5」日本語版の出版を託されたことである。教授には大勢の日本人環境学者仲間がいる。その人達を差し置いて、学者でも、専門家でもない普通の市井のお爺さんにこの重要な本「ファクター5」の出版を託すとは尋常ではない。
11月に国連環境計画の会議で日本に来た教授と、日本語翻訳を手伝ってくれているボランティアの皆さんと一緒に会合を持った際に彼が言った一言がその謎を解いてくれた。彼は「できればこの本はカラ―刷りの美しい本にし上げて、本屋さんでおばあちゃんが手にとって見て『あら、きれいな本ね。これなら孫に買って読ませてあげたいわ』と言われるような本にしてほしい。」と言って、その為に費用の負担があればそれも厭わないと言う申し出までがあった。
つまり、彼の希望は「ファクター5」はほんの一部の人にしか読まれない学術書にするのではなく広く一般人に読んでもらえるような本にしたいと言うことであると分かった。そして、その為にぼくの様な一般人に日本語版出版を託したのだと分かった。
2013年春に出版にこぎつける為の道は大変険しいが、自ら決めた道なので登りきるしかない。ボランティアの4人の皆様のご努力には本当に頭の下がる思いであるが、チームワークを更に強くして頑張って行きたい。
ブログは昨日の12月29日で500回を迎えた。毎日読んで下さる皆様が居られるお陰で今日まで続ける事ができている。最近のブログの記事はほとんどが、他のメディアからの情報であり、ブログ管理者が書いた駄文となる事が多い。「ファクター5」の内容はまだ全てブログになってはいないが、残っている題材は文章の量が多くブログ一回での掲載には向かないので、皆様には来春出版される本編を購入して読んでもらいたい。
本年一年間ご愛読ありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。
ブログ管理人 吉村 皓一
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