5800万トンを輸入して2200万トンを廃棄する世界唯一の国
一昨日(2013-1-11)の小ブログに当日のBBCの報道、英国では年間3兆7億円の食糧が食べられる前に廃棄されているとの報道を取り上げた。この報道から食糧廃棄問題やフードマイレージに興味を持ち少し調べて見た。
日本の食糧自給率はカロリーベースで39%、生産額ベースで69%で年間輸入量は5800万トンで輸入金額は11兆円である。
世界中でも日本程、食料品が豊かに売られている国は無く、世界中のありとあらゆる珍味が手に入る。また、野菜、魚介類、菌類は本来その供給が季節に依存するはずであるが、この国では年中何でも豊富に出回っている。おいしもの、珍しいものを手に入れる為には手段は選ばない、世界でも稀な飽食国家と言えよう。
食糧を生産地から消費地まで輸送する距離と輸送量をかけ合わせたものをフードマイレージ(単位はトン・km)と言い、これが長いほど地球環境負荷が大きい。
日本のフードマイレージは9000(億トン・km)であり、世界でダントツにトップである。2位はお隣の韓国であるが、3000である。飽食の国と思われているアメリカは2900、BBCが取り上げた英国は1800、ドイツは1700、フランスは900である。これを人口で割ると一人当たりのフードマイレージ(トン・km/人)が算出できるが、日本は7100(トン・km/人)、韓国6500、アメリカ1000、英国3100、ドイツ2000、フランス1800となる。
日本は食糧を60%輸入に頼っており、その輸入量は5800万トンであるが、そのうち2200万トンが食べられる前に廃棄されている。そして、それらを年間2兆円のコストをかけて処分をする為に更にエネルギーを使い環境負荷を増やしている。
国に持続可能な食糧政策が無い証拠である。新しい政権の閣僚達がTVに出て来て言う事はただ「景気を良くする」ことに尽きている。GDPを上げる事が彼らの目的のようである。食糧の廃棄に掛る2兆円も放射性廃棄物の除染作業に掛る10兆円もGDPを押し上げる「良いこと」になるのだろうか。閣僚の誰一人として「地球環境」を意識した発言をするものはいない。
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