2030年原発ゼロ見直しに賛成が43%に、前回調査では廃止が71%
豪華客船が座礁して沈没をはじめた。船長は乗客を海に飛び込ませなければならなくなり、船長はそれぞれの国の人にこう言った。アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄になれる。」イギリス人には「飛び込めばあなたは紳士だ。」ドイツ人には「飛び込む事が規則になっています。」フランス人には「絶対に飛び込まないでください。」日本人には「皆さん飛び込んでいますよ。」これは有名なジョークで有るが、日本人はみんなが考えている事、みんながする事をやりたがると言うのは当っている。こんな日本人の世論誘導するのはそんなに難しいことではない。
今朝(2013年1月16日)のNHKお早う日本(午前7時のニュース)で、1月12日から3日間にわたって行われたNHK世論調査の内容として、「安倍総理大臣が、『2030年代に原発の稼働ゼロを目指す』とした民主党政権のエネルギー政策を見直す考えを示していることについて、『賛成』が43%、『反対』が21%、『どちらともいえない』が30%でした。」と報道した。
この世論調査結果を見た多くの視聴者は、「あー、ほとんどの人は原発再稼働見直しに賛成なんだ」と思い、みんながそう思うのならそれが正しいのかも知れないと考えた人も居た事であろう。朝の出勤前のサラリーマンは、朝食のパンをかじりながら、「ほ―、世論は原発容認に傾いているのか」との印象だけ持って出勤する事になる。
どのような、設問なのかをNHKホームページを探したが無く、今回の調査の設問について、NHKふれあいセンターに電話で問い合わせて聞いた。設問は1.あなたは安倍内閣を支持しますか、支持しませんか? 2.安倍内閣は10兆3全億円の緊急経済対策を閣議決定したが、あなたは支持しますか? などの設問が続いた後に、この設問となっている。ちなみに環境・エネルギー関連の設問はこれ一つだけである。経済立て直しなどについて質問した後に、民主党が決めた2030年原発ゼロを見直すと聞かれると、賛成と答えてしまうのではないだろうか、この設問方法は意図的であるとは言えないだろうか、そしてその結果を大々的に報じ、特に解説は加えていない。
2011年12月に行われた同じNHKの世論調査「防災・エネルギー・生活に関する世論調査」では、原発をどうすべきか、との設問に、増やすべき2%、現状維持27%、減らすべき51%、すべて廃止20%、無回答1%であった。せめて前回の調査では71%が反対でした、などのコメントは付け加えるべきではないだろうか。
日刊紙での世論調査結果は紙上で詳しく発表されるが、NHKの世論調査の詳細は半年後くらいになってやっと、NHK放送文化研究所のホームページ上で見る事ができるだけである。ニュースで報道されてもその詳細は「NHKふれあいセンター」に直接電話して1分10円のNAVIダイヤル料金を払って聞かなければ分からない仕組みもおかしい。
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