商品のグリーン化で韓国に大きく後れを取る日本
日本の映像家電が韓国メーカーに負けているのは決して価格競争で負けているのでは無い。いまや、映像家電のハイテクは韓国製と言うのが世界の市場での常識となってしまっている。2011年にアメリカ地方都市のウォールマートの家電売り場では中央にサムソンとLGの60インチクラスのスマートTVが4000ドル(36万円)のプライスタグを着けて売られており、通路には段ボールに入ったままの32インチ型のソニー、パナソニック、シャープが400ドル(3万6千円)程度の投げ売り価格で積み上げられているのを見てショックを受けた経験がある。10数年前には正反対であったのにと、感慨を深くした。日本のマスコミや有識者達は日本製TVは韓国勢に価格で負けたと言っているが認識不足も甚だしい。
1月7日〜10日までラスベガスで開かれていた世界最大の家電見本市CES2013で韓国勢が見せたものは、家電のスマート化と持続可能性の追求であった。
スマホから操作できるありとあらゆる白物家電は今後の動向を示し更なる省エネに貢献できることを示唆している。
サムソンはスマートTVを今後毎年アップグレードして行くと言う。しかし、ユーザーは発表された新機能を手に入れる為にTV本体を買い替える必要は無い。エボリューションキットと呼ばれる新書版程の大きさの箱を背面に取り付けるだけで、最新の機能やアプリを楽しむことができるようになる。
これはサムソンの持続可能性家電で、これまで新機能を楽しむ為にはまだ使えるTV本体ごと買い替えていたが小さな黒い箱を買うだけで本体はそのまま使い続けることができる。それにより廃棄されるTV本体が減る。家電はリサイクルされて、資源の再利用は行われているが、それは40%に過ぎず、その他は埋め立てか焼却処分されている。そのまま使い続けることができれば、その方が環境負荷が少ない事は明らかである。
今回販売されるエボリューションキットにはデュアルコア高速CPU、新グラフィック・プロセッサ、大容量メモリが搭載されており、500ドル(4万5千円)で販売される。ユーザーにとっては本体数十万円のスマートTVを買い替える必要がなく、最新の機能を楽しむことができる。サムソンはこの製品を2020年まで販売し続けるとの事である。
それに対し日本勢は高細密画面の4KTVや有機LED画面のように相変わらずハード先行で、ソフト面や持続可能性では韓国勢に数年の遅れを取っている。
|