40年後のエネルギー消費は現在の2倍との見積もり
世界の石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルは世界44ヶ国に資産を持ち、年間42兆円の売り上げのエネルギー産業の大元締めである。この企業は、エネルギー消費は今後も伸びを続け40年後の2052年には現在の2倍になると見積もって、石油に変わるエネルギー源として、天然ガスとシェールガス・オイルの開発に投資をして行くと発表している。
現在世界で年間300億トンのCO2が排出されており、このまま続くと2050年には地球の平均気温は2.0℃上昇し、気候の狂暴化はますます進み、海面は5〜10m上昇すると言う事がIPCCの報告で明らかであるが、石油資本は構わず化石燃料を掘り出して燃やし、今の倍に増やすと言う。狂気の沙汰としか言いようが無い。エネルギーの使用量を減らして行く気はさらさら無いようだ。
現に昨年一年間の気候の狂暴化で夏の暑さ、冬の寒さ、多雨地域での洪水、乾燥地域での旱魃、台風やハリケーンの大型化、竜巻等過去の記録を塗り替えるものが目白押しであった。現在もオーストラリアのシドニーで44℃と過去最高を記録中である。これから来る北半球の夏にも又、記録が新たになると思われる。
世界のCO2の発生源の40%は建築物から出されているが、そのエネルギーは暖冷房、照明、換気、水に使われている。これを外断熱による高断熱、高気密構造にし、換気システムを改造する事で、80%の効率アップが可能なビルのグリーン化の技術が既に存在する。これをもし、世界の全ての建築物で行う事ができれば32%、年間96億トンのCO2の排出を止める事ができる。これにより損害を被るのは、エネルギー産業だけである。
昨年、2012年7月からやっと日本でも取り入れられたFIT(再生可能エネルギー固定買い取り制度)で決められたkwH当り42円と言う価格を、自民党は見直して下げようとしている。再生可能エネルギーにやっと日本でも弾みが着いて来た矢先であるのに、もう方向を変えようとする働きが有るようだ。
安倍首相は海外で自国の事を臆面も無く「環境先進国」と呼んで憚らないないが、一体何を持ってそんな事が言えるのか不思議である。
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