省資源・省エネルギーにネガティブイメージを植え付けるCM
暖房を切って厚着をしたら頭がさえたとか言って、少し寒さと付き合いませんか、はじめよう節電、みんなの為にと言う民放連の節電CMを見た人、聞いた人はいるだろうか。使わない部屋の電気を消そうと言うのならともかく、冬の寒い時期に暖房を切るようなことを勧めるのは、特に高血圧の老人には危険さえ伴う間違ったキャンペインである。このCMを見たり聞いたりした老人に、もしもの事が有ったら民放連は責任を取る用意はあるのだろうか。
当ブログで何度も書いているように、建築物を外断熱にして、強制換気にすれば、エネルギーコストは40〜80%削減できる。昨年暮れに訪れたドイツの低エネルギー住宅に暮らす友人宅はいずれの家も、外はマイナス15℃でも、屋内はとても暖かかった。こんなCMは省エネは苦痛を伴うものとの間違ったイメージを刷りこもうとする意図があるのでは無いかとさえ思ってしまう。
民放連にはできないことであるとは思うが、できるのであれば自販機撲滅キャンペインでもやって見てはどうか、日本から600万台の自販機が無くなれば原発4基分の電力が即座に浮く。
その他、日本特有の電力の無駄遣いには、多すぎる信号機と自動車道路の照明がある。欧州で車を運転すると気がつくが、まず信号機が少なく、交差点がラウンドアバウトと呼ばれる円形交差点になっていて信号機は無いが、交通の流れも良くUターンも簡単にでき大変便利である。自動車道路は車にはヘッドライトが有るのだから明るく照明する必要は無いので、基本的には危険個所など限定的に照明が有るのみである。
交通信号は一基数百万円と大変高価で、信号機メーカーにとっては美味しい仕事であるので、どんどん増設される一方で有る。現在、日本全国に約20万基(東京都内だけで1万5千個所の交差点に信号があり、一か所あたり4基としても6万基)あると言われているので、制御装置も含めて控えめに見ても一基あたりLEDでも300WHの消費電力は有るだろうから、60万kWHとなり原発1/2基分の電力は使っている。これを3割減らせば20万kWHの節約になる。自動車道路照明については資料が無く分からないが、これも他の国と較べると多いことは間違いない。民放連は、これらを減らすキャンペインをやるべきである。それか、「TVのコンセントを抜こう」とやってみてはどうか。
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