エネルギーシフトをグリーン経済への移行の先取りとポジティブに推進
NGO/NPO「気候ネットワーク」のサイトから
温暖化防止のために市民の立場から行動するNGO/NPOである「気候ネットワーク」のホームページにドイツのエネルギーシフトについて書かれているので紹介する。
「ファクター5」の提言がドイツ国内でどのように実現されつつあるのかが分かる調査・報告である。これは同NPOが提携しているドイツのハインリッヒ・ベル財団の記事の翻訳であるが、まさに「ファクター5」に書かれている内容が報告されていて大変興味深い。
1.ドイツのエネルギーシフトは野心的であるが、実現可能である。日本の失われた20年の期間にドイツ産業界はグリーン経済 への移行の為の試行錯誤を重ねてきて、やっとグリーン経済への移行の実感を掴みつつある。
2.ドイツではエネルギーシフトをエネルギーヴェンデ(Energiewende)と呼び一般的に頻繁に使われるが、市民やコミュニティ ー主導で行われている。ドイツ産業を支えているのは中小企業であるが、地域の中小企業が小グループの研究会の様なグ ループを作ってコミュニティーと共にエネルギーシフトを検討しており、その中からグリーン経済が形成されてきている。
3.ドイツはエネルギーシフトを戦後最大のインフラ事業と考えている事。グリーン経済への移行は全ての産業分野で行われて いる。例えば、エネルギー源を化石燃料から再生可能エネルギーに転換するには2000億ユーロ(約25兆円)の投資が必 要になるが、そこには新たな雇用が創出される。2012年現在で40万人が再生可能エネルギー市場で生まれた。化石燃料 は輸入され、補助金が出されているが、輸入が最小限になれば、出動される補助金も最小となり国家財政に寄与すると同時 にエネルギー安全保障を堅固なものにする。
4.ドイツはグリーン経済社会におけるマーケットリーダーとなる。過去20年間に築いたグリーン経済の産業基盤でドイツの大企 業と中小企業は世界のマーケットリーダーとなることを目指している。
5.グリーン経済は大企業と中小企業が対等に競争できる市場を目指す。
6.ドイツは気候変動対策と脱原発を同次元の問題と捉えている。
7.ドイツのエネルギーシフトはグリーン経済への移行を意味し、単に化石燃料(原発を含む)から再生エネルギーへの転換を意 味するものではない。資源とエネルギーの効率向上をはかる事で低エネルギーな社会構造を作ることに有る。例えば地球 温暖化ガス全体の40%を占める建築物分野での省エネルギーは大きな効果を生む。2050年までに80%(ファクター5)の 省エネを目指している。(下の図参照)
8.ドイツのエネルギーシフトは定着している。1994年に憲法にあたるドイツ基本法に環境保護が加えられて、担当政権党がい ずれの党になっても環境保護への姿勢はぶれる事が無い。(2012-07-10のブログ参照)
などが書かれている。原文のURLは次の通り。 http://www.kikonet.org/research/get.html
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