ダンテの森    
02 Mar 2013 12:39:54 pm
緑の教皇
退位したベネディクト16世はグリーン法王だった
ナショナル・ジオグラフィック 2013-03-01より

 ローマ教皇ベネディクト16世が2月28日に退位した。3月中にコンクラーベ(教皇選挙会)が開かれ、新教皇が選出されるとシスティーナ礼拝堂の煙突から白煙が上がる段取りだ。ベネディクト16世は8年の在位期間に多くの異名を受けたが、最も意外なのは「緑の教皇」だろう。しかし、バチカン・ウォッチャーによると、環境問題への意識は一貫して高かったという。

 環境問題に取り組んだローマ教皇は他にもいる。ヨハネ・パウロ2世は1990年、国際平和デーのスピーチに立ち、「神の創造物たる自然は守らなければならない」とカトリック教徒に訴えている。つまり、ベネディクト16世が就任する2005年以前から、環境保護はカトリック教会の重要な教義になっていたのだ。

 ベネディクト16世はさらに問題意識を高め、各国の指導者たちにも真剣に取り組むよう訴えかけた。2010年の国際平和デーのスピーチでは、「正義と平和を求めるなら、我々が暮らす環境を保護しなければならない」とアピール。その直後に発表されたローマ教皇庁立科学アカデミー(Pontifical Academy of Sciences)の気候変動レポートでは、二酸化炭素(CO2)排出量の削減、公害の抑制、気候変動がもたらす影響への対応が世界の指導者に提言された。

 ベネディクト16世は足下のバチカン国内でも環境問題に取り組み、パウロ6世ホールの屋根にソーラーパネルを設置するプランを承認。また、世界で唯一のカーボンニュートラル(CO2の排出と吸収がプラスマイナスゼロ)な国家を実現するため、ハンガリーの植林活動に出資してCO2排出枠を買い取る許可を国内の銀行に与えた。その数年後には、ハイブリッドの教皇専用車の導入も発表している。

 しかし、環境活動への支持は宗教的な理由だけではない。気候変動が人々、特に社会的弱者の生活に及ぼす影響も懸念されている。バチカンのアメリカ支部であるUSCCBは昨年、「環境問題への対応を誤れば、世界中の貧困層や弱者の困窮が一層深刻化する」という声明を発表した。

 ベネディクト16世も同じ考え方で、「最大の被害者は、大量の温室効果ガスを排出する国々ではない。海面上昇や破壊的な暴風雨、水不足などに苦しむ貧しい人たちだ」と何度か公言している。グレイザー氏によると、環境破壊が最貧層に及ぼす影響を本当に心配していたという。

ナショナル・ジオグラフィックの原文URL
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20130301004

カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
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