オランダの砂浜建設プロジェクト、サンド・モーター
オランダの海岸の砂浜は毎年海に砂を削り取られ小さくなる。その対策に5年毎に大規模な浚渫工事をが行われ、海底からポンプで砂を吸い上げて砂浜を補修する。地元南オランダのリークスワタ―スタート(Rijkswaterstaat)市が浚渫を行うのは、観光客や海水浴客の為だけでは無い。同市は海抜ゼロメータで、この砂浜が無くなってしまうと海水は市街地に侵入してくるからである。
5年毎に浚渫を繰り返さなくても砂浜を守る方法は無いかとオランダ政府と科学者達が考え出したのがサンドモーター(The Sand Motor)である。これは自然の力、この場合海の流れと風をつかって砂浜を作ろうとするもので、いわば自然エネルギーで土木工事を行おうとする、持続可能な工法である。
2011年3月に工事がはじまり、砂浜の沖合1kmにフック型の長さ2kmの半島を作った。砂は10km沖合の海底からポンプで吸い上げた。この人口半島がサンドモーターである。サンドモーターは一度作る最低20年間は何もしなくても良い。この半島が海の流れを変えて海岸と人口半島の間を砂で埋めてくれる。更に風が砂丘を作る。
科学者たちはサンドモーターの変化と天候の詳細なデータを収集してサンドモーターのシステムのパラメータを作っている。オランダ政府はサンドモーターの技術標準を作ろうとしている。世界にはこの工法が適応できそうな場所が相当あり、地球温暖化の為に水没の危険が予想されているところも多い。そう言ったところにオランダはこの技術を持って進出しようとしている。
サンドモーターによって作られた新しい大きな砂浜と砂丘は市民と観光客のいこいの場となっている。
サンドモーターのホームページ(英文)URL:http://www.dezandmotor.nl/en-GB/the-sand-motor/
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