地球温暖化対策基本法(案)は棚上げ、温暖化対策推進法の改正に後退
安倍政権は前民主党政権が世界に約束した2020年までに25%を反故とするために2009年から民主党を中心に検討されていた地球温暖化基本法(案)を棚上げとし、現行の温暖化対策推進法を改正するだけにとどめると発表した。温暖化対策推進法は京都議定書第一約束期間(2012年で終了)に対応するだけの短期的な法律で、長期的、基本的な温暖化対策は考慮されていない。安倍政権は既に京都議定書第二約束期間からは脱退しており、現在短期的、中期的な削減目標も無い。特定非営利活動法人気候ネットワークは、この措置に対し提言を行っているので紹介する。
今国会での地球温暖化対策推進法の改正について〜実質的な温暖化対策推進計画策定・対策強化の基礎とするために〜
2013年3月7日 特定非営利活動法人気候ネットワーク
1.「基本法(案)」から「温対法改正(案)」への変更の問題
環境省提出法案は、2009年より議論されてきた地球温暖化対策基本法案から、温暖化対策推進法(温対法)の改正案へと変更された。これにより、基本法案の基礎にあった、長期的に温暖化を防ぐ視点で着実に取り組みを進める視点はなくなり、京都議定書第1約束期間終了に続く“次の計画”を定めるだけのものへと大きく後退することになった。中期目標もまだ決定されず、つなぎに終始している現在の日本の温暖化政策対応は、全く不十分であると言わざるを得ない。以上の認識に立ち、温対法改正に際しては、以下の視点に基づき、実効的な計画策定、対策推進が可能となるものとするべきである。
(1)長期的な目標の視点を盛り込むこと
温対法はもともと、長期的な温暖化対策を実施するための法律として作られていない。長期的視点を持つ必要性から、目的に、政府合意に基づく「2℃未満の達成」「2050年80%以上の削減」などを盛り込むべきである。
以下4項目にわたっての提言は気候ネットワークのURLで参照のこと。
http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2013-03-07.html
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