風量発電価格が石炭火力発電価格を下回った。――オーストラリア
SustainableBusines.com News 2013-03-08より、
ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(Bloomberg New Energy Finace)によるとオーストラリアの補助金無しの風力発電コストが石炭や天然ガス火力発電コストより下回ったと報告している。
再生可能エネルギーの方が化石燃料よりも高いと言う認識が、オーストラリアのような化石燃料が直近に豊富にある国で覆されると言うことが世界のエネルギー転換の可能性を示唆している。
最新の風力発電所で発電される1MWH(メガ・ワット時)の発電コストは83オーストラリアドル(AUD 約8,134円)であるが、最新の石炭火力発電所では1MWHあたり186AUD(約18,228円)、同じく最新の天然ガス発電所では119AUD(約11,662円)となる。これらには炭素税14%が含まれているが、例え炭素税を差し引いても風力発電に負ける。
さらに、2020年には大規模太陽光発電も化石燃料発電所に対する炭素税のファクタリングにより安くなる。2030年にはバイオマス発電や大規模太陽熱発電の技術が安くなりこれらも化石燃料よりも安くなると推測されている。
風力発電機の価格は2011年から現在までで10%下がり、太陽光パネルは29%下がっている。それに較べ化石燃料である石炭と天然ガスの価格は高止まりの上上昇傾向に有る。これは採掘設備価格とリスクの上昇も影響している。
オーストラリアの4大銀行は新しい石炭採掘プラントへの融資のリスクプレミアを上昇させた。その理由はこれら金融機関が持続可能性リスクへの配慮が少ないとの国際評価が下がることを恐れての措置である。
天然ガスプラントは液化設備の過剰投資により国内向けガス価格にまで影響が出ていることと炭素税の導入により、長期的には投資対効果が悪くなると見られている。
オーストラリアでは今後石炭火力発電所が建設される事は無いと思われる。その理由は新石炭火力発電所の建設費が高すぎることにある。1970年代に建設された石炭火力発電所は減価償却が終わっている為に、炭素税を払っても風力よりも安い電力を提供することができる。その為に、現在のところは風力発電に補助金が必要なのである。
原文(英語)URL:
http://www.sustainablebusiness.com/index.cfm/go/news.display/id/24647
|