ものインターネット + M2M = 1兆ドル市場
GreenBiz.com 2013-03-13 Heather Clancyの記事より
M2Mとものインターネット(Thing Internet)については一昨日(2013/03/12)にも書いたが、今日はその続編である。今回は英国の調査会社カーボン・ワ―・ルーム(Carbon War Room, 炭素戦指令室)の調査報告書からである。カーボン・ワ―・ルームはバージングループのリチャード・ブランソン氏が主宰する営利企業で、グリーン経済のビジネス開発・研究をしており、その目的はグリーンビジネスを投資家にとって魅力あるものにして行くことで今後の経済の中心として行こうとするものである。
リチャード・ブランソン氏は「過去には持続可能ビジネスと言うと、禁欲的な響きが有り、収縮の経済と考えられていたが、グリーンビジネスを最適化することで、現在の経済を更に力強く発展させて行く事ができる。例えばM2Mやものインターネットはその良い例で、大きな可能性を持っている。」と語っている。
M2Mとものインターネットが形成するビジネスはカーボン・ワ−・ルームの最新の報告によると2020年には1兆ドル(96兆円)ビジネスに成長する。具体的には、125億のM2Mデバイス(組み込み電子部品)が機械に組み込まれ、機械が持つセンサーの情報がネットワークに送られ、制御、モニター、自動化が機械同士が人間を介することなく情報交換を行って最適化を行われる。
同報告書によれば、2020年までにM2Mと関連の技術により9.1ギガトンのCO2排出を削減できる。この量は2010年度の世界でもCO2排出がダントツに多いアメリカとインドを合わせた量に匹敵する。また、M2MはCO2の削減のみならず淡水資源の消費量の大幅な削減に寄与することも報告されている。
その内訳の主要なものは次の通りである。
■エネルギー分野:スマートメーター、デマンド・レスポンス(エネルギーが大量に必要な時には供給側の判断で供給に制限を加えることで発電設備の無駄運転を無くす事ができるシステム。ユーザーはこの契約をする事で安い電力料金で契約ができる。)により2ギガトン(Gt)のCO2の削減ができる。
■交通分野:航空、船舶、列車、トラックのルートの最適化により、1.9Gt。
■建築物:暖冷房、換気、照明、給湯、セキュリティーの最適化で、1.6Gt。
■農業分野:森林管理、収穫管理、施肥、灌漑の最適化で、1.6GtのそれぞれCO2削減ができる。
留意点としては、
■M2Mが複数のプロバイダー毎に分けられ、プロバイダーの囲い込みが発生してエンドユーザー間の情報交換が阻害される可能性がある事。
■世界標準を早急に決めて、データやアプリケーションの互換性を担保する事で市場の発展を図ること。
■M2Mの効果は長期的にしか出ないので、ROIの計算方法を確立する必要が有ること。
リチャード・ブランソン氏がグリーン・ビジネスをやるだけでも夢が大きく膨らむ。
原文(英文)URL:
http://www.greenbiz.com/blog/2013/03/12/why-m2m-internet-things-1-trillion
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