ダンテの森    
15 Mar 2013 11:14:59 am
グリーンな畜産
牛が出すメタンは環境負荷要因と言われていたが、、。
GreenBiz.com 2013-03-14 Mark Guntherの記事より

 これまで環境問題を語る中で牛が出すゲップ、おなら、糞から出るメタンガスが環境負荷要因の大きな部分を占めていると言うのは常識であった。数年前には牛が出すメタンは地球温暖化ガスの51%を占めると言うセンセーショナルな論文が出され大騒ぎになったことは記憶に新しい。いまだにそのホームページは健在である。URL:http://51percent.org/

 FAO(国連食糧農業機関)は18%と発表しており、こちらの方が信憑性は高いとしても結構大きな部分であることには違いがない。その為、環境保護者達の中には後ろめたいものを感じならがステーキを食べている人もいる事であろう。

 ジム・ハウウェル(Jim Howell)は1800年から代々続く農場経営者で現在グラスランド(Grassland)社のCEOである。同社はサウスダコタ州とモンタナ州に4つの農場を経営している。同社の行う放牧経営は地球環境に負荷を与えるどころかCO2吸収が大きく環境改善に寄与していると言う。「総体的経営」と言う方法で放牧を計画することで、牛は健康になり、牧草地は活力に満ち光合成が活性化されてCO2の吸収量が増えると言うものである。

 ハウウェル氏のパートナーで師と仰ぐアラン・サボリ―(Allan Savory)氏は、ジンバブエ出身の農業経営者、環境保護運動家であるが、彼は1988年に「総体的経営」と題する564ページの本を出版している。その中で、従来考えられているよりも大規模、広範囲で計画的に放牧を行う事で、逆説的であるが単位面積当たりの飼育頭数を増やす事が可能で、牛も、土壌も健康になると論じている。しかし、出版当時の専門家の評価は低く注目を受ける事は無かった。

 ハウウェル氏はそれに目と付けたのである。かれの農場でサボリ―氏の「総体的経営」を実践したところ彼の主張が正しかった事が証明された。グラスランド社の成功は大手投資家からも投資されるほどで、今や優良企業となっている。

 農場の総体的経営のキ―は計画に有ると言う。従来の放牧での間違いは一か所で多数の頭数を長時間放牧していた為に、牛は牧草の若芽や根まで喰いつくしてしまう事であった。その為、栄養分の少ない若芽を食べた牛は空腹を抱え、光合成が行われなくなり土壌は窒素の固定ができなくなり活力を無くす。牛フンや尿は処理されることなくメタンを放出する。そうなる前に牛を別の牧草地に移すことで、牧草は育ち、根は伸びて、バクテリアも増殖し牛フンや尿は土地の栄養となって光合成が活発に行われCO2を吸収する。牛は十分に栄養分に満ちた牧草をたらふく食べて健康になる。

 その為に、地形、日照、土壌、天候を考えて精密な計画を立てる必要がある。この計画立案で全てが決まる為に、この作業は日夜を問わず討議と思考を重ねる必要があると言う。計画が決まればその計画通りに牛を放牧して行く。

 世界の50億ヘクタールの放牧地をこの方法に変えれば、年間270ギガトンのCO2が削減され135ppm下がることになる。その上この変更には特に出費は伴わない。サボリ―氏は「これは何も特別な事では無い。アフリカのサバンナの草食動物は何万年もの間、この方法でサバンナと共存してきている。」と語る。これもバイオミミクリ―である。
原文(英文)URL:http://www.greenbiz.com/blog/2013/03/14/can-cattle-be-part-of-climate-change-solution
カテゴリー : 他メディアより | Posted By : dantesforest |
Aug 2025 9月 2025 Oct 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     
にほんブ�前村
カテゴリー
Factor Five [220]
General [13]
ブログ管理人 [315]
他メディアより [577]
リーセント
北極海氷、2番目の小ささ
地球環境の救世主になるトランプ?
Oceans’18Kobeを訪ねて。
第三回国連環境総会
気候変動は国際社会の責任
トランプに消されるEnergy Star
トランプ大統領の誤算
ドイツ市民の誇り
水中CO2センサー
6年ぶりのメキシコ
アーカイブ
7月 2012[77]
6月 2012[80]
5月 2012[93]
4月 2012[97]
3月 2012[98]
2月 2012[68]
1月 2012[96]
12月 2011[100]
11月 2011[99]
10月 2011[109]
9月 2011[111]
8月 2011[97]
ユーザーリスト
Admin[5]
dantesforest[1120]
組織化
Powered by myBloggie 2.1.4