より地球環境負荷の少ないリサイクル―Honda
2013年3月3日Hondaは自社のハイブリッド車に使われているバッテリーからレアアースをリサイクルすることに成功し、3月初めからバッテリーに再利用していると発表した。
レアアースとはハイテク機器に必要な金属・鉱物であるが、簡単に採掘ができないことから貴重な鉱物言う意味でレアアース(日本語では希土類)と呼ばれている。日本では経産省が17の希土類元素をレアアースと定義している。
Hondaがハイブリッド車に使用しているニッケル水素バッテリーにはランタン(La)とセリウム(Ce)と言うレアアースが電極に使われている。Hondaと日本重化学工業が共同で実現したレアアース・リサイクル技術は、これらを再利用うする省資源技術である。
Hondaのハイブリッド車から回収されたIMAバッテリーは、解体されモジュールが取り出される。取り出されたモジュールは焼成、破砕、酸化還元の工程を経て、鉄くず、ニッケル(Ni)コバルト(Co)合金、レアアースに分けられる。鉄クズは鉄スクラップに、NiCo合金はさらに還元され、レアアースは溶融塩電解法で精製される。この段階でいずれも純度は鉱山から採掘・精製されたレアアース同様の99%以上となっている。
リサイクルにかかる費用は輸入価格と同じ位であるが、レアアースは鉱山に含まれる量が少ない為に大量の土石を掘り出す必要が有り、地球環境が大きく破壊されることを考えると、リサイクルの方がずっと持続可能性に優れている事は言うまでも無い。
現在、レアアースのリサイクルはほとんど行われておらず、そのリサイクル率は世界で1%以下である。
現在レアアースは世界の97%以上を中国が産出している。中国が2010年に輸出枠大幅削減を行った為に、2005年には1kg50ドルであったものが、2010年6月には400ドルにもなり、世界のレアアースユーザーはパニックとなった。それ以来、各社でレアアースのリサイクルの開発が進められている。Hondaはその先駆けと言えよう。
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