浸透性が高い神経伝達物質を攻撃する農薬。EUでは禁止、日本は推進。
昨日ラジオで農薬ネオニコチノイドについて話していた。日本では海外に較べ大量に使用されており、蜂の絶滅の原因になっていると聞き調べて見た。
殺虫剤や農薬に大量に使用されており、神経伝達物質に作用して昆虫の神経を興奮し続けで死に至らす。ヒトにも自律神経系、神経筋接合部、中枢神経系に作用する事が認められている。
1990年代はじめから世界各地でミツバチの大量死、大量失跡が報告され2007年までに北半球では1/4のミツバチが消滅し、その原因がネオニコチノイドであるとされている。
オランダ、デンマークでは2000年、フランス、ドイツでは2006年に使用禁止となっているが、日本では逆に使用量が年々増加し、1997年から2007年の10年間で年間150トンから450トンと3倍になっている。(図参照)
果物、米に多用され、浸透性が高い為に洗っても皮をむいても除去はできない。日本の果物への残留許容量はEUの500倍である。日本には「原子力ムラ」と同じような利益共有共同体「農薬ムラ」があり、彼らは農薬には罪は無いと主張しており、そこには生産者の観点しかなく消費者は不在である。農水省は見て見ぬふりどころか、ネオニコチノイドを夢の農薬として普及にまい進している。環境省は2010年から調査をはじめたが、ラットでの実験に失敗したとして2013年に入って調査を中止したままである。安倍政権に変わった影響か。
イネに着くカメムシは口を差し込んででんぷんを吸い取るが、その跡が米に黒い斑点として残るが、無害である。しかし、この斑点の有る米が1000粒中2粒あると60kgあたりの価格が600〜1000円下がると言うから米農家はカメムシ対策の為に、多いところでは年間数10回もネオニコチノイドを散布する。ちなみにアメリカの米農家では2回程度である。
TTPで海外からネオニコチノイドが少ない農産物が入ってくれば、今度は「農薬ムラ」が死滅する事になるかもしれない。
環境的には生物多様性の面からネオニコチノイドは環境負荷が高い。ファクター5で提案している点滴灌漑農業にすれば、水資源は95%、農薬は99%が削減できる。
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