眠れる都市鉱山、小型家電リサイクル1日スタート
msn 産経ニュース 2013.3.31 09:12 から、
携帯電話やパソコンなど小型家電をリサイクルする新たな制度が4月1日から始まる。従来の家電リサイクル法で回収が義務づけられているエアコンやテレビなど4品目以外を対象に、市区町村が消費者から回収し貴金属などを取り出してメーカーが再利用する仕組みだ。制度には「都市鉱山」と呼ばれる都市に眠った貴金属やレアメタル(希少金属)などが中国をはじめ海外へ流出している実態を食い止める狙いもある。(徳光一輝)
回収対象となる小型家電の中でも、携帯電話はインジウムなど20種以上のレアメタルが含まれる上、携帯1万台から50グラムの金が取り出せる。これは天然の金鉱ならば50トン分掘らなければならない量で、都市鉱山として有望視されている。しかし、現状のレアメタルのリサイクル率は低く1%以下である。
携帯電話会社などが回収を進めるが、平成12年度の1361万台から減少傾向で23年度は696万台。業界団体の電気通信事業者協会は「個人情報や写真などが保存されている上、高機能なスマートフォンはカメラやゲーム機などとしても使われ、消費者が手放したがらない」と分析する。そのまま再利用する方がリサイクルするよりも更に製品寿命が長くなり環境負荷は低くなる。
一方で海外への輸出は続いている。物質・材料研究機構の原田幸明特命研究員(61)によると、携帯電話などの「電子廃棄物」は有害物質も含んでおり、バーゼル条約で国際移動が規制されている。
原田さんは「中古品の『再利用』名目にして、中国などアジアへ輸出されている。海外で貴金属やレアメタルが回収され、残りは不適正に捨てられている場合も多い」と指摘。こうした実態は、カラスのようにいいとこ取りで食い散らかす「鴉食(あしょく)リサイクル」と呼ばれているという。
国立環境研究所の寺園淳室長(47)=資源循環=が日本の貿易統計で推定したところ、中古携帯は23年、香港へ約3万4千台、アフガニスタンへ約2万7千台、イランへ6900台が輸出されていた。中国は中古家電の輸入を禁じており、寺園室長は「実態は不明だが、香港へ輸出された中古携帯は中国本土へ再輸出、つまり密輸されている恐れがある」と懸念する。
以下略、原文URL:http://sankei.jp.msn.com/life/news/130331/trd13033109170004-n1.htm
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