思うように進んでいないフロン規制――気候ネットワークが意見具申
近年の気候の狂暴化はジェット気流の蛇行に起因していることが分かっていたが、ジェット気流がなぜ蛇行するのかが謎であったところ、米ペン大の研究で南極のオゾンホールとの関連が有るとの報告が出されたことは、小ブログ2013年2月16日で書いた。南極のオゾンホールの有力な原因物質であるフロンの大気への放出が止まない現状を見かねて、認定NPO法人「気候ネットワーク」が意見具申を行った。フロンを大気に放出することは法律で禁じられてはいるものの、取り締まりは行われておらず、野放図になっている現状を打破したいとするものであるので、環境省は真剣に検討すべきである。以下は、賛同の意味を込めて「気候ネットワーク」からの転載である。
「フロン回収破壊法」の改正に関する提案〜フロンの「排出ゼロ」に向けた実効ある改正を〜
気候ネットワーク 2013年4月4日
今年3月、中央環境審議会及び産業構造審議会の小委員会合同会議において「今後のフロン類等対策の方向性について(意見具申)」(以下、「具申」という)がまとめられました。「フロン回収破壊法」が制定されて12年になりますが、この間、冷媒フロンの回収率は3割程度と低迷したまま上がらず、それに加えて使用時漏洩が想定より大きいこと、今後HFC排出量は急増が見込まれることなどが明らかになっています。今国会では、この具申に基づき「フロン回収破壊法」の改正案が上程されることとされていますが、今後の排出を減らすために必要な法改正について、以下に10の論点としてまとめました。
論点(抜粋)
1.【法の目的】排出ゼロにする「目指すべき姿」を法の目的に位置づけること
2.【目的・名称の変更】「フロン回収破壊法」から「フロン類排出削減法」へ
3.【対象機器・用途の拡大】スプレー、断熱材、クリーニング・洗浄なども対象に
4.【用途規制】フロンの使用を禁止する用途規制の導入を
5.【国の責務】キャップ&フェーズアウトを法律の下で
6.【フロンメーカーの責務】総量削減とフロン生産量・出荷量等の報告義務
7.【機器メーカーの責務】HFC32(GWP=675)ではなく、自然冷媒への誘導策を
8.【機器ユーザーの責務】フロン管理強化策・定期点検義務化
9.【機器メーカーおよび設備事業者の責務】機器登録と充填量の把握・報告
10.【経済的手法】経済的手法(フロン税)の導入の時期を示すこと
原文URL: http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2013-04-04.html
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