欧州の投資家はシェールガス採掘のフラッキングリスクを重視
GreenBiz.com 2013-04-12 Richard Liroffの記事より、
欧州の大手金融機関が加わっている環境基本枠組みイニシアティブは投資対象のエネルギー企業に対しフラッキングリスクに関するガイドラインを発表した。
フラッキングはシェールガスを採掘する技術で、ガスが溜まっているシェール層に水平に穴を掘り、水と化学物質の混合液を高圧で注入して天然ガスを地上に送りだす方法を言い、水圧破砕法とも呼ばれており、化学物質の地下水脈汚染、取り出された汚染水処理の問題が有る。
クレディ・アグリコール(Credit Agricole S.A.)やスタンダード・チャータードバンク(Standard Chartered Bank)を含む加盟の金融機関は投資対象のエネルギー企業に対し、フラッキングが与える環境負荷や地域住民対策のリスクをどのようにマネージメントしているかを知る為にKPI(Key Performance Indicator)の開示を求めるのが目的である。
ガイドラインは16の責任範囲と4の企業関連の項目から構成されており、フラッキングリスクに対する企業のマネージメント能力についての、さらに12の実際運用上の具体的なキ―データを求めている。
ガイドラインによると、投資の決定にあたり、金融機関は投資のリスクと環境保護の企業イメージロスのリスクの最小化を図ることと、地域住民との対立を回避する事を目的にして居る。
投資対象企業から報告されるKPIとなる数値データ以上にリスク評価を可能とするものは無いとしている。
以上が、GreenBiz.comの記事の概略であるが、いかに欧州の金融機関がフラッキングに対する懸念を持っているかを表すものと言える。先日のオバマ大統領の2014年予算教書全3700語の中に、エネルギーは11回出て来たが、シェールガスには一言も触れていないところから、米政府も懐疑的である事を表している。夢のエネルギーとかシェールガス革命などと言っているのは安倍政権とそこにぶら下がっているマスメディアだけである。日本のマスメディアの見識の無さには改めて驚かされる。
原文(英語)URL:
http://www.greenbiz.com/blog/2013/04/12/european-banks-want-data-frackers?page=0%2C0
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