世界で1200基もの石炭火力発電所が計画中
Yale Environment 360 2013-04-15 Fen Montaigueの記事より
世界で燃やされる石炭の量は、1850年の産業革命時の80倍にもなっている。IEAの発表によると、年間80億トンの石炭が燃やされ、地球温暖化ガスの43%を排出しており、そのほとんどが発電である。消費がこのトレンドで増え続ければ2035年には65%増え132億トンになる。
世界研究所(WRI)の調査によると、現在世界で計画中の石炭火力発電所は約1200基で、その3/4はインド(445基、520TW)と中国(363基、560TW)で占められている。石炭埋蔵量はこれだけの発電所が増加しても後数100年は稼働できる分は有る。
問題は、地球温暖化である。この調子でCOを燃やし続ければ2030年までの気温上昇を2℃に抑えたいとしている目標はとても達成できない。2/3に減らしても難しい。この地球環境を破壊する、この狂ったような石炭火力ブームは、原子力発電の低コスト神話が311で脆くも崩れ去った為に、すわとばかりに石炭産業―建設業―重電産業が、火を付けた。
石炭産業のうたい文句は、安く、安定して供給できる事であり、開発途上国の経済発展を阻止する事はできない、世界から貧困を無くすと言う目標の前には、地球環境問題には暫く目をつむる以外に無いと言っている。
しかし、本当にそうであろうか、添付の地図を見てわかる事は、本当の最貧国の地域は無色で発電所の計画は無い事を表しており、最貧国は置き去りのままであり、石炭業界が主張する「世界から貧困を無くす」と言うのが目的というのは嘘である事がわかる。
ちなみに、米国は36基の建設計画が有るが、これは175基が地元住民の反対で建設を撤回させられた残りの計画である。また、米国は来る10年間で約500基の老朽化した石炭火力発電所を閉鎖する。
中国では、都市部の大気汚染が進み、環境意識が比較的高い都市住民からの圧力が高まってきており、363基のうちどれだけが実施されるかは不明である。インドでは石炭は輸入に頼っている事から、エネルギー安全保障の面から異論を唱える人達も出て来ている。これらの事から、ブームだからと言って石炭火力発電産業に投資するのはリスクが大きいと警告を発している経済学者も出て来ている。
原文URL:
http://e360.yale.edu/feature/future_of_coal_will_boom_go_bust_as_climate_concerns_increase/2639/
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