環境を一番の企業目標にしてしまったフォルクスワーゲン社
「フォルクスワーゲンにとって環境と持続可能性は単なるスローガンでは無い。」2013年4月25日にハノーバーで開かれた株主総会で社長のマーチン・ウィンターコーン博士は強調した。
自動車製造の為に消費するエネルギーと水は過去2年間に約10%節減した。同時期に販売された自動車のCO2排出量平均値を144g/kmから134g/kmに削減している。
現在同社販売のうち245車種が120g/km以下である。現販売モデルは全て前モデルに較べ10〜15%燃費が向上している。同社は環境において世界一の自動車メーカーを目指すとしており、EUが設定した2015年までに120g/kmのCO2排出量を既にほぼクリアしているが、それにはとどまらず2020年までに全車種を95g/km以下にすると宣言している。
同社は、この目標をパワートレイン、電子制御、バッテリー技術、エアロダイナミック、軽量化のそれぞれの技術革新で達成したいとしている。
量産車として最も燃費が良いXL1は、自動車の将来の可能性を示唆する。ハノーバーメッセの開会式に参列したドイツのメルケル首相とロシアのプーチン大統領は仲良く車に乗り込んで見た。(写真) XL1は車重795kgで2人乗り、2シリンダー、35kW(48PS) ターボディーゼルエンジン、20kW(27PS)電気モーター、7速デュアルクラッチ付き変速機、リチウムイオン電池、プラグインハイブリッドと言う仕様で、燃費は111km/リッターと驚異的で、ファクター4で発表されて話題を呼んだハイパーカーの燃費を上回る。加速は100km/hに達するまで12.7秒である。環境負荷はCO2排出量21g/kmである。今、日本で販売されている自動車の最も環境負荷が少ないと言われるクラスでも80g/km台であるので、いかに環境負荷が少ないかが分かる。
時速160kmで走り続けるのにはたったの5.8kW(8PS)しか必要としないのは徹底したエアロダイナミックによるもので、空気抵抗係数(CD)は0.189である。ちなみにポルシェ911のCDは0.29である。XL1には空気抵抗の多いサイドミラーは無く両サイドはTV画面で見るようになっている。
原文(ドイツ語)URL:http://www.auto-reporter.net/1840/2_1840_104_50821_1.php
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