鹿島、東京都港区の既存ビル改修実証実験でCO2削減50%を達成
やっと日本のゼネコン大手が重い腰を上げたか
環境ビジネスオンライン 2013-05-02の記事から、
鹿島建設は、鹿島KIビル(東京都港区赤坂)の一部を改修して、既存オフィスビルの省エネルギー・CO2削減のための改修工事のモデルとし実証実験を行ない、改修前と比較して50%の削減を達成したと発表した。
同社は、経済産業省の掲げる2030年新築ビルの「ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化」に先駆けて、独自の目標として2020年に設計施工案件の新築ビルZEB第1号を目指すとともに、既存ビルのリニューアルによるZEB実現に積極的に取り組んでおり、今後もZEB化に向けた技術開発と継続的な検証を実施する。
今回、KIビルの6階、1フロアを各々1/2ずつ改修し、前後のデータを取得し対比を実施。2011年8月11日〜19日の夏季休暇を利用し、居ながらのリニューアル工事を行った。改修においては、「スマート充放電制御システム」「人密度検知人感センサーによる空調・照明制御」「空気放射空調システム」「グリッド天井対応の明るさ感演出LED照明」「エネルギーのリアルタイム見える化」「汎用タブレット端末を利用したオフィス環境の最適化アプリ」などの技術が導入された。
このうち「スマート充放電制御システム」は、太陽光発電による電力をリチウムイオン蓄電池で充放電することで電力供給を安定的に行うシステム。
「人密度検知人感センサ」は、建物における消費エネルギーを効率的に制御するもので、従来の人感センサよりきめ細やかな検知範囲と精度を実現した。スマート充放電制御システムは日立製作所と、アクティブ人感センサによる空調・照明制御はオムロンなどと共同研究体制を構築している。
「空気放射空調システム」は、外気処理をヒートポンプデシカントパッケージ、室内負荷処理をビル用マルチ室内機で行うもの。対流と放射を併用した空調を行い、冷房時も暖房時も快適性を維持し、省エネを図っていることを実証した。
「明るさ感演出LED照明」は、人の明るさの感じ方の概念を照明の配光計画に導入し、全体照度を低減させても明るさ感を損なわない照明器具を開発し採用。ベース照度300〜350lx程度でも空間全体では明るさ感の高い光環境の実現を達成した。このLEDを用いた明るさ感演出照明はパナソニック電工の協力を得ている。
以上が、環境ビジネスからの転載であるが、やっと日本のゼネコンがグリーンビル事業への重い腰を上げたのかも知れない。石炭火力を建設するよりも、日本の既存ビルを改修してグリーン化してエネルギー消費を50%低減すれば、日本の総エネルギー消費の20%が削減され、2010年までの原発分が必要なくなり、全国の電力会社も20%規模縮小が可能となる。
原文URL:http://www.kankyo-business.jp/news/004738.php
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