パタゴニア、環境問題解決に向けたベンチャーファンドをスタート
NY Green Fashion 2013-05-09記事より、
これまでにも、売上の1%を草の根環境団体に寄付、オーガニックでないコットンの使用を禁止、着古した同社製品を回収して再び繊維にリサイクルする「コモン・スレッド・イニシアチブ」や、デザインから出荷までの環境負荷を公表する「フットプリント・クロニクル」の立ち上げなど、環境問題の解決に向けてさまざまな活動をしてきた、サステナブル・アパレル・ビジネスのリーディングカンパニー、パタゴニアが新たに環境問題を解決する為のファンドを始めた
これまでの自社の環境負荷削減だけでなく、同じ志を持つ他社を支援すべく、環境問題解決に向けて努力する新規企業に投資するプログラム「$20ミリオン&チェンジ」を立ち上げた。「$20ミリオン&チェンジ」は、その名の通り、2千万ドル(20億円)を服、食品、水、エネルギー、廃棄物を含めた5分野において、社会を変革するために取り組む新興企業に投資する、という試みであり、投資先の企業には、パタゴニアのコアバリューである、品質、環境保護主義、企業の透明性、慣習にとらわれない精神、が求められる。
既存の持ち株会社「ロスト・アロー・コーポレーション」から継承する形で新たに持ち株会社「パタゴニア・ワークス」を設立し、同社は、単なるアウトドア事業から、ビジネスを活用して環境問題の解決に貢献するという、壮大な理念を掲げるホールディングカンパニーへと昇華したとしており、同社の「責任」として掲げているのは、
●ベンチャー企業を育成する●環境に責任のある企業を生み出す●傘下企業を多様化する●ブランドが持つ影響力とその範囲を、新たな市場へと拡張する●グローバルビジネスの仕組みに影響を与える●投下資本利益の新たな評価方法を提案する●環境・社会的リスクを考慮し、長期にわたり経済的健全性を提供する●パタゴニアが行っている環境キャンペーン「責任ある経済」を促進する●傘下企業に最高級の管理業務を提供し、各事業が製品、品質、売上、顧客経験に集中できるようにする
である。本来、すべての企業がこうした社会的責任を持っているはずであるが、ほとんどの企業が短期の売上や利益にしか目が行っていないのが現状である。こうした社会を変えられるのが、「パタゴニア・ワークス」の意思と行動であるとしている。
原文URL: http://www.nygreenfashion.com/html/news/20130509.html |