世界の原発、最大370基増加 2030年までに、経産省試算
東京新聞 TOKYO Web 2013-05-20から、
経済産業省は20日、総合資源エネルギー調査会の総合部会を開き、2030年までに世界の原発が90〜370基程度増えるとの試算を示した。経済成長に伴うエネルギー需要の拡大が理由。部会が担う新たなエネルギー基本計画案の検討に当たり、日本の原発輸出を促す根拠とする思惑がある。
ただ、委員からは「エネルギー政策の軸を決めてから国際社会に(原発を)売り込まないと日本のスタンスに異議が出る」(寺島実郎日本総合研究所理事長)との意見も出た。
原発は現在、世界で400基程度が稼働中。中国、ロシア、インドなど新興国を中心に新設が進むとみている。(共同)
原文URL: http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013052001002648.html
今、欧州は低エネルギー化とエネルギーシフトで持続可能社会へ移行しようと躍起である。あの米国でさえ世論が変わりつつあり、オバマ大統領は本格的に地球温暖化と戦った大統領との名前を歴史に残そうとグリーン化の旗を振っている。グリーン経済への移行とは低エネルギー社会に作り直して行くことである。つまり、これからだんだんとエネルギーを使わなくしようとしているのである。
これから370基の原発が作られる等と考えるのは、エネルギー需要が今まで通りに増加すると予測しているからに他ならない。そんな予測を作って経産省は取らぬ狸の皮算用をはじいているわけである。日本では1954年から2012年の58年間でなんと14兆円の巨額を原発の開発に投じて来た。その結果がフクシマであった。この数字をテコに経産省はさらに開発予算を国民から出させて、NEDO、J-Power、三菱重工、日立、東芝にばらまこうとしている。
日本のエネルギー政策は原発一辺倒であった為に、欧州ではすでに20%を超えている再生可能エネルギーによる発電は、日本ではいまだに1%程度である。経産省のエネルギー政策の間違いである。経産省はまた同じ間違いを犯そうとしている。
開発途上国にODAの仕掛けを使ってJICA等も使って、原発を売り込もうとしている。治安が不安定になる可能性が大きい開発途上国で、もし将来原発がテロの対象にでもなる可能性を経産省は考えたことはあるのだろうか。日本はその時に世界にどう言い訳をするつもりなのか。
豊かな生活とエネルギー消費の増加を切り離して考えるのが、持続可能な開発であり、グリーン経済である。UNEPはそれをデカップリングと呼んでいるが、経産省はそんなものは絵にかいたモチにしたいようだ。古典経済に毒された経産省官僚には理解できないようである。
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