ドイツ企業と組んでノウハウ取得 工事期間短縮、熊本のメガソーラー
Finance Greenwatch 2013-05-24の記事より、
メガソーラーを建設するにあたってはMW当たりの材料コスト、建設コストだけを追求してはいけない。ドイツ企業と組んでメガソーラーを立ち上げた事例を紹介する。[畑陽一郎,スマートジャパン]
メガソーラーは設計や施工、運営にポイントがある。このような指摘が増えてきた。適切な設計と施工、運営に基づいていなければ、完成後に思うような発電量が得られず、20年間の保守管理コストも高くなってしまうということだ。
熊本製粉が発注した「熊本製粉 弁天太陽光発電所」(熊本県合志市)は、設計と施工に特徴があるメガソーラーだ。
同メガソーラーは、熊本製粉の西合志倉庫内の倉庫3棟の屋根(面積7934m2)に太陽電池モジュール4088枚を敷き詰め、出力1MWを得るというもの(図)。
同発電所の事業性を判断し、ドイツjuwi Renewable Energiesに設計、施工、運営を依頼したのは自然電力だ。「まず倉庫の上に太陽電池モジュールを設置し、20年間の耐久性が得られるかどうか、倉庫の9つの屋根について構造計算をやり直した。その結果、設置対象となる3つの屋根を選んだ」。
弁天太陽光発電所は、2013年2月に着工し、3月31日に完成、送電を開始している。工期が非常に短い。「juwi Renewable Energiesはドイツの先進的な事例のノウハウを多数もっている上に、資材の購買網も大きい。今回、工期が短くなったのは同社の人材配置能力はもちろん、工事マネジメント能力全体が高いからだ。施工性のよい機器も使った」(自然電力)。自然電力はjuwi Renewable Energiesとの協力関係を高めるため、2013年1月にジョイントベンチャーを設立しており、今後受注する太陽光発電事業に生かす。
なお、熊本製粉が太陽光発電を事業化するのは、今回が2件目である。2012年12月に送電を開始した「合志市・熊本製粉太陽光発電所」(出力1MW)は市の清掃工場跡地を利用したメガソーラーだ。
ドイツはすでに20年間、風力発電所、太陽光発電所を作って来た実績が有る。事前調査、躯体設計、施工技術、施行監督、予防保全、運営管理から経営に至るまで、太陽光発電所ならではの技術ノウハウが有る。彼らは、技術が未熟な段階からの発展を自ら経験して来ているので、蓄積された技術は一朝一夕には真似できない。日本に有るのは太陽電池の製造技術だけで、それ以外は彼らに学ぶのが一番早道だ。環境先進国などと言う昔の看板は外して謙虚に学ぶ姿勢が必要である。この自然電力の判断は大いに評価できる。
原文URL: http://financegreenwatch.org/jp/?p=30953
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