今日、6月5日は世界環境デー(World Environment Day)である。国連による国際的な記念日で、環境保全に対する関心を高め啓発活動を図る日として制定された。
由来は、1972年6月5日からスウェーデンのストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念している。1972年12月15日に日本とセネガルの共同提案により国連総会で世界環境デーとして制定された。日本では環境基本法(平成5年11月19日法律第91号)により「事業者及び国民の間に広く環境の保全についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高める」という目的のもと6月5日を環境の日と定めている(環境基本法第10条)。
6月の一カ月間は、環境月間として、毎年、環境省や地方自治体、企業などによって環境セミナーや展示会などが各地で開かれている。
本年度の環境省が定めたテーマは「はじめています。地球にやさしい新生活」である。しかし、安倍政権は世界中の開発途上国に原発と石炭火力発電所をODAと言う餌で釣って、売り込もうと躍起である。途上国向けのインフラ事業で30兆円を目論んでいると言う。半導体政策の失敗で大打撃を受けた、東芝、日立、三菱の起死回生を図る事が、安倍首相にとっては至上命令なのであろう。
先日横浜で開かれたアフリカ開発会議(TICAD)では、日本政府は参加国の首脳に個別に安倍首相が会い売り込みに懸命であったようだ。中国が既にアフリカのコンゴ河で三峡省ダムを上回る、大規模水力発電所事業を立ち上げたのを初めとして、ナイル河でも巨大水力発電所を作ろうとしており、遅れを取った日本が巻き返しを図っているのである。
水力発電所が自然環境を破壊し、石炭火力発電所が地球温暖化ガスを出しす事は、周知の事実である。安倍政権が進めている事は、環境省のテーマに沿っていないと、本来ならば環境大臣が異議を唱えるべきところである。
これらの巨大発電所で作られた電力は、遠く南アフリカや、大西洋沿岸の都市、さらに地中海を超えて欧州に売る計画である。電力を売って得た利益は、投資した国に借金の返済をした残りは、一部の富裕層が利益を貪ることになる。水力発電所や火力発電所が出来ても、送電、変電、配電の設備が無いと電気は届かない。
アフリカの問題は、何千万の人達がいまだに電気も水も無い生活をしていることにある。その殆どは、小さな数百世帯の集落で生活しており、広い地域に分散している。この最貧の村々に電力線が行きわたることは恐らく20年後か30年後か最後になる。
彼らに本当に必要なのは、太陽光パネルと蓄電池とインバーターの分散型の電力システムである。高価な鉄塔も高圧線も変電所も必要無い。巨大ダムや火力発電所を作る金額の数十分の一の費用で、実現可能である。インドのベアフットカレッジが進めているような、アフリカ人が自分達の力で、マイクロ電力会社を作り運営し、電力と保守を提供する。(ベアフットカレッジについては、小ブログ2012年1月12〜13日をご覧ください。)
子供たちの主な仕事である水汲みの重労働は電気ポンプに代わる。昼間は、家畜の世話をする子どもたちは電気の明りの下で夜勉強ができるようになる。これこそ本当のアフリカが求めているものである。このままではアフリカは暗黒の大陸のまま変わらず、貧困もなくならない。アフリカ諸国は騙されてはいけない。
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