このままだと2020年には最高5.3℃の気温上昇
London 2013-06-10 ENS発のニュースより
国際エネルギー機関(IEA)は6月10日報告書を発表し、地球温暖化がこれまで言われていたよりも早い速度で進んで居り、世界は早急に対応しなければならないと警告した。それによると、地球温暖化はこれまで、このままで行くと2020年までに平均気温が2℃上昇するとしていたが、最新の研究結果によると3.6〜5.3℃上昇することがわかったとしている。
これを防ぐために4つの方策が打ち出されたが、全てがエネルギー分野に対するものである。これは地球温暖化ガス排出量の2/3がこの分野から出されていることにある。
「環境政策」は残念なことに政治課題の優先順位の後のほうになってしまっているが、環境問題が無くなった訳では無く、状況はより深刻になっていると、IEA専務理事のマリア・バン・デル・ホ―フェン(Maria van der Hoeven)氏はロンドンで語った。
IEAの今回の報告は、ハワイのマウナロア天文台のCO2測定値が400ppmを超えたと言う人類の歴史始まって以来のCO2濃度の時代に入った直後に出されたものである。
現状のまま、手をこまねいたままであれば、2020年にはちきゅうの平均気温は5.3℃上昇し、それによる海面上昇や気候の狂暴化は、巨大な経済的、社会的損失をもたらし、取り返しのつかないことになると警告している。
次の4つの目標を実行することで2020年に気温の上昇を2℃に抑制する事が可能になる。これはCO2の排出量を8%つまり31億トン削減することになる。
1. 建築、産業、交通の3つの分野でCO2排出量を50%削減。
2. 石炭火力発電所の新規建設に制限を加え、運転中の石炭火力のCO2排出を20%削減し、再生可能エネルギーを現在の20%から27%に増やす。
3. 石油およびガス産業の採掘工程を含む上流工程でのメタン漏洩を18%削減。
4. 化石燃料からの撤退に対し補助金を支出し、12%の効率向上。
これらの4つの目標は全て既存の技術で、実績があるものである。
何故今、このような発表が必要かとの問いかけに、IEAは、このまま行けば2020年までに温暖化ガスの増加分だけで40億トンになり、これは現在の全ヨーロッパが排出している量に匹敵する量になるからであるとしている。
原文(英文)URL:
http://ens-newswire.com/2013/06/10/world-drifting-off-track-for-two-degree-climate-limit/
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