90億人を養う食糧生産は、現在の農業システムでは不可能
GreenBiz.com 2013-06-20 Shauna Sadowskiの記事より、
2050年には地球人口は90億人となるが、現在の農業の食糧生産プロセスは持続可能では無いので供給する事ができなくなる。
現在、食糧生産に投資されるのは、消費の増加こそが経済成長であるとばかりの近視眼的アプローチのものばかりである。既に周知のとおり、地球の自然資源の質は急速に低下しており、その速度は、我々が考えるよりも急速に進んでいる。その為、我々は「もっと消費」する事から「より良い消費」へと転換する必要がある。自然環境の回復力を取り戻し、環境を再生すること以外に急速な人口増加に対応する戦略は無い。
今後の食糧生産への投資は単に90億人に食糧が行きわたると言う目標を満足することでは無く、この惑星が清潔な水と肥沃な土壌と生物多様性を取り戻すことができ、我々を含めた地球上の生物が健康で強いコミュイティーを作って行けるようなことに投資がなされるべきである。そして2050年から、さらに未来が開ける。
農業は、この数十年間で大きく変わった。第二次世界大戦後、農業は大量に広範囲にDDTを使用することをはじまりに、害虫や雑草を大量の薬剤を使って駆除するということで、人間と他の動物の健康を害し、生物多様性を犠牲にしてきた。1960年台にはこれらが、神経系統、乳がん、流産、発育障害、男性の不妊の原因の一つとなったと考えられている。
DDTは米国はじめ各国で禁止されたが、モンサントの除草剤ラウンドアップに含まれるグリホサートは胎児の生育障害とガンの原因になるとも言われている。
米国の農業は大規模化が進み、2007年の調査では農地の60%は1000エーカー(400ヘクタール)以上の規模の農場で、農業生産の60%が行われている。サイズが問題ではないが、その農業プロセスに問題がある。大量に散布される農薬が土壌や地下水脈を汚染し、土壌の力は弱る一方である。広大な面積に単一作物が栽培されるモノカルチャーは生物多様性を破壊している。そして、弱った土壌に撒かれる窒素固定剤は、大量の化石燃料から作られている。その他、遺伝子組み換え植物など、持続可能性を無視した方法しか取られていない。
これからは、環境学的農業に対する投資が必要である。多種の多年生植物の栽培と家畜の放牧で、植物自らの力で土壌を回復させ、生物多様性を回復させる。窒素固定剤は必要無い。そのような持続可能性農業がはじまっている。投資家はこのような農業のグリーン化に投資をすべきである。
原文(英文)URL:
http://www.greenbiz.com/blog/2013/06/20/how-invest-sustainable-food-future
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