我々の将来の経済成長及び幸福のために最も重要な課題の一つである
北アイルランドのロックアーンで開催されたG8サミットで発表されたコミュニケから気候変動の部分だけを抜粋して掲載する。(翻訳は外務省)
気候変動
56. 気候変動は,我々の将来の経済成長及び幸福のために最も重要な課題の一つである。我々は,科学に沿った形で,産業化以前の水準と比べて世界全体の気温の上昇を摂氏2度より下に効果的にとどめるために自らの役割を果たすよう,2020年までに温室効果ガスの排出量を大幅に削減し,その後の低炭素の道筋を追求する緊急の必要性に取り組むことに,引き続き強くコミットする。
57.我々は,以下を含む,ただし以下に限定されない他の関連フォーラムを通じて取り組まれる行動によって補完される,国連気候変動枠組条約(UNFCCC)における国内の,また,国際的な,野心的かつ透明性のある行動を追求する。
a.エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)において,我々は,MEF行動アジェンダの進展を確保し,2015年の世界的合意に向けた過程において相違を克服するため,パートナー達と共に取り組む。
b.国際民間航空機関(ICAO)において,我々は,航空による排出の増加に対処するための経済的及び非経済的双方の手法に関連する野心的なパッケージにつき,2013年9月の総会において合意することを求める。
c.国際海事機関(IMO)において,我々は,海運による排出の問題に対処するための更なる手法に関して,引き続き取り組む。
d.・我々皆が前回のサミットで参加することにコミットした,短期寿命気候汚染物質削減のための気候と大気浄化のコアリションにおいて,我々は,既に開始されている8つの世界的なイニシアティブに立脚して,科学的根拠の基礎及び民間部門の関与を更に進展させる。
58.我々は,気候変動を,増大する地球規模の経済及び安全保障上のリスクに寄与する要因として認識する。G8は,国際的な気候政策と持続可能な経済発展は互いに補強しあうものであることを想起しつつ,この課題及び関連するリスクにより良く対応するための手段を検討することで一致した。
59.UNFCCCにおいて,我々は,条約の下ですべての締約国に適用される新たな議定書,他の法的文書又は法的拘束力を有する合意結果が2015年までに採択され,2020年から発効し施行されることを確保するために取り組む。我々はまた,現在の各国のプレッジと必要とされているものとのギャップに重大な懸念を持って留意し,2020年までの期間に緩和に対する野心を増大させるよう取り組む。我々は,意味ある緩和行動及び実施の透明性の文脈において,2020年までに幅広い資金源から年間1000億米ドルの気候資金を共同で動員するという先進国の目標への我々のコミットメントを再確認し,国際的な気候変動資金の流れの透明性を改善し続けるための我々の努力を前進させている。我々は,2015年にフランスが議長国を務める用意がある気候変動枠組条約締約国会議における成功裡の世界的な合意に向け,2014年を通じて政治的意思を動員するための国連事務総長の努力を歓迎する。我々は,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書に期待する。
|